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龍王宮こと 石園座多久虫玉(いそのにますたくむしたま)神社/毎日新聞「やまとの神さま」第11回

2022年07月11日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2022.7.7)掲載されたのは〈安寧天皇 宮跡の伝承地/石園座多久虫玉神社(大和高田市)〉、執筆されたのは精華町(京都府相楽郡)在住の加地潤二(かち・じゅんじ)さんだった。
※トップ写真は石園座多久虫玉神社の拝殿=大和高田市片塩町で

大和高田市はあんなに大きな町なのに、意外と史跡は少ない。式内社も、この神社だけだ。「石園座多久虫玉神社」はあまりにも長く、また発音もしにくい名前なので、一般的には「龍王宮」と呼ばれる。近鉄高田市駅前という便利な場所にある。では、以下に全文を貼っておく。

石園座多久虫玉神社(大和高田市)
龍王宮の通称で呼ばれることが多い石園座多久虫玉(いそのにますたくむしたま)神社は、大和高田市片塩町にある市内唯一の延喜式内神社です。この地は第3代安寧(あんねい)天皇時代の都とされる片塩浮孔宮跡(かたしおのうきあなのみやあと)の伝承地で、境内に「安寧天皇浮孔宮跡」の石標が建っています。

主祭神は建玉依比古命(たけたまよりひこのみこと)、建玉依比売命(たけたまよりひめのみこと)でこの2神は八咫烏(やたがらす)の名で知られている賀茂建角身命(かもたけつのみのみこと)を父親に持つ神です。

豊玉(とよたま)比古命、豊玉比売命が祭られていますが、2神はそれぞれ海神・龍神として知られており、龍王宮の名と関係があるとみられています。干ばつの時には雨乞い祈願が行われ、水神・農耕神として信仰されてきました。

神社の北を東西に走る古代からの横大路に沿うように、大神神社(桜井市)、石園座多久虫玉神社、長尾神社(葛城市)をそれぞれ龍の頭、胴、尾とする伝承があります。

龍王宮西側の大和高田市礒野(いその)は源義経の側室、静御前の母・礒野禅尼の古里とされます。伝承によると、義経の死後、母と礒野で暮らした静御前は自らの病気平癒を「笠神(かさがみ)の杜(もり)」の明神さんに祈ったといいます。その明神さんは龍王宮の境内に移されて祀られ、毎年12月に静御前をしのぶ白拍子舞が奉納されています。(奈良まほろばソムリエの会会員 加地潤二)

(住 所)大和高田市片塩町15の33
(主祭神)建玉依比古命、建玉依比売命
(交 通)近鉄高田市駅から徒歩すぐ、JR高田駅から徒歩約15分
(拝 観)境内自由
(駐車場)有(40台、無料)
(電 話)0745・52・6855


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