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今はまだ人生を語らず

2006年12月11日 | 吉田拓郎
幻冬舎の雑誌「GOETHE[ゲーテ]」07年1月号に「吉田拓郎 完全独占インタビュー」が掲載された。

《つま恋2006の真相、闘病、「吉田拓郎」という虚像!? … 現在の全てを、本誌だけに語った6時間》というフレーズに引かれて買った。

確かに、興味深い話が続出する。拓郎曰く
《僕の歌は詞先(しせん)。詞が最初にあって、その後から曲を書く。詞がよくなければ、曲を作る気が起こらない。だけど、僕は現実的な人間だから、実体験でしか書くことができない》

つま恋で、拓郎が歌っている途中から中島みゆきがスッと現れ、曲の冒頭から歌い始めたことについて
《みゆきはすごかったね。後光がさしていた。卑弥呼みたいだった。僕、あんなふうに登場すると思わなかったしさ》

《病気がわかったときは物凄いショックだったよ。(中略)あー!とか嘆いて涙で枕を濡らした。しくしくしくしく泣いた。あのときの姿を見せてやりたいよ》

インタビュアーが、拓郎の歌はメロディが美しく言葉も磨かれているのに比べ、今の若い世代の楽曲は…、と言いかけたことに対し、こうクギをさす。
《それは、若いミュージシャンの音楽に君がついていけなくなっているんだよ。間違いなくね。(中略)若い人を理解できないのはしかたがない。でも、若い人を否定するオヤジになっちゃいけないとは思うんだよ。僕を否定したオヤジと同じになる》

拓郎の「人生を語らず」(1974年のアルバム「今はまだ人生を語らず」に収録)に、こんなフレーズがある。
《今はまだまだ人生を語らず 目の前にもまだ道はなし 越えるものはすべて手さぐりの中で 見知らぬ旅人に夢よ多かれ》
※歌詞の全文(拓郎の歌詞紹介サイト)
http://listen.jp/store/wordList_1007281.htm

還暦から再開した全国ツアーは、熱狂で迎えられた。11月には紅白出場のオファーを辞退し「(つま恋の成功は)自分の中では、一つの通過点であり、振り返ることはせず、また、前に進んで行くことに集中したい」というコメント文を発表した。

つま恋に集まった平均年齢49歳という3万5千人、そして全国ツアーに駆けつけるファンたちは、懐メロとしての「拓郎の青春歌謡」を聴きたくて来ているのではないだろう。成功体験に安住するのではなく、前進することにのみ意識を集中したい、という拓郎の姿に自分を重ね合わせているのだ。

《越えて行けそこを 越えて行けそれを 今はまだ人生を 人生を語らず》
乗り越えるべきものがあるうちは、過去の人生なんて振り返るもんか。そんな覚悟で、前向きに生きて行きたい。

※写真は秋葉原(10/31撮影)。







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