tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

田中利典師の「人生の逝き方」(あやべ市民新聞「風声」)

2023年10月26日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「人生の逝き方」(師のブログ 2017.10.24 付)であるが、これは最近(2023.10.24)になって師が「6年前の思い出」として、Facebookに再掲載されたものだ。もとは、あやべ市民新聞「風声」欄(2017.10.23付=トップ画像)に寄稿された文章である。

私もここへ来て、坂本龍一、谷村新司、もんたよしのりなど、年齢の近いミュージシャンの訃報に接し「そろそろ私も、死出の旅支度をしなければいけないのかなぁ」などと考えている。それにはやはり、お坊さんの話に耳を傾けるのが一番だろう。では、以下に全文を抜粋する。

「人生の逝き方」
この演題は私がつけたものではなく、綾部の高齢者学級の主催者の方からいただいたものである。かなり私にはハードルの高そうな演題ではあった。もちろん仮題なので、変えていただいてもいいですと聞いてたが考える間に、当日になっていて、面倒だから、そのままの題で先月お話をした。

まあまあ、思いの外、それらしいお話が出来たので、しばらくは、ほかでもお願いされた高齢者学級の演題はこれでいこうと、厚顔無恥を決め込んだ。

明日、日本を代表するような水源の里(限界集落の名前をこう読み替えて綾部市を中心にそういう活動がある…)の奥神林地区でお話をする。で、そんなことなどを地元の市民新聞に、投稿させていただいた。昨日掲載していただいたので、よろしければご覧下さい。

「人生の逝き方」
先日、中上林地区の高齢者学級の講話に招かれた。「人生の逝き方」という表題を頂戴していた。会場は農繁期だというのに、用意された席いっぱいにおいでいただいた。高齢者学級だから、みなさん、私より長く人生を生きてこられた方ばかり。そんな諸先輩を前に「人生の逝き方」を話すというのは、いくら還暦は過ぎたとはいえ、おこがましい限りである。

でもまあ修験僧になって法臈(ほうろう=僧侶になった年数)47年。逝くということは、それまでをどう生きるかということでもあるので、仏道修行を通じて学んだことをお話させていただいたのである。

内容はまだこれからも綾部市内のいろんなところでお話しする機会があるので、是非、直接聞いていただけたらと思う。今月25日には奥上林地区での高齢者学級でもお話しすることになっている。ちょっとだけ、その一端を紹介しておこう。

私たちは見知らぬ土地に旅をするとき、ツーリストで旅券の手配をしたり、ガイドブックで事前に情報を得たりする。人生における死出の旅路はどうだろう。逝ったことのない死後の世界、だからこそ、本当は事前に死出の旅路を用意をしておかなければ不安は増大するし、いざというとき、路頭に迷うのではあるまいか。

仏教を学ぶとか、お坊さんの話を聞くというのは実は、きたるべき死出の旅路の用意でもあるのだ。私はそう思ってお話をさせていただいている。

死んだ先のことは私も死んだことがないので、本当のことはわからないが、仏さまが示された多くのお経の中には、いかに生きるのが幸せで、いかに安心して死ねばいいのか、たくさんのお示しが残されている。ぜひ、いろんな機会を通じて、たくさんの方々に聞いていただきたいものである。

*****************:
法話の類いは実はあまり得意ではなく、どうしても説明口調になるか、漫談になりがちである。下手な芸人をまねた坊主の漫談として聞いていただければ、気楽です。 
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葛城ひかりダリア園(近鉄忍海駅西)、惜しまれつつ 12月に閉園します!(2023 Topic)

2023年10月25日 | お知らせ
※ダリアの株の販売は、中止となりました!(10/30)

昨日(2023.10.24)、会社の先輩だったFさんと、近鉄忍海駅から西へ徒歩5分のところにある「葛城ひかりダリア園」(葛城市忍海262)を訪ねた。Fさんは昨年、Facebookの「奈良の秘密教えてちょ!」で同園のことを知ったそうだ。Fさんのブログ「事務長のホッと一息」(2022.10.30付)には、




ダリアの和名は「天竺牡丹」。その名の通り、ボタンを思わせる見事な花がたくさん咲いていた



葛城市忍海のダリア園
昨年(2021年)お亡くなりになったご主人が稲を栽培されていた田圃を活用し、その奥様(Nさん)が今年(2022年)からダリアを栽培されている「ひかりダリア園」を訪れました。広い敷地には今を盛りとさまざまなダリアが咲き誇っていました。





これはクロコノマチョウ(黒木間蝶)か、落葉にソックリだ!



NKH出版のサイト「みんなの趣味の園芸」には、

ダリアは豪華で力強く咲く大輪種から、優雅な中輪種や可憐な小輪種、シンプルな一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、大小さまざまで用途も広く、古くから親しまれてきた春植え球根です。





花形のタイプによって、代表的なデコラティブ咲き、弁先が細長くなるカクタス咲きなど、10数種に分類されます。そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ皇帝ダリア、チョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。





しかし、なんと同園は開園から2年目を迎えた今年(2023年)12月で、閉園されるという。Fさんのブログ(2023.10.24付)には、

葛城市忍海の「ひかりダリア園」が閉園されます
葛城市忍海の「ひかりダリア園」では、ダリアの花が満開となっています。Nさんが一人でこのダリア園のお世話をされてきましたが、広い敷地であったため身体をこわされ、残念ですが今年で閉園されるとのことです。閉園にあたりダリアのカブ1本(球根が数個とれる)を500円で分けていただけるとのことです。




この日は、Nさんとお話しすることができた。「草引きが、一番大変でした」。そこで今年はマルチシート(黒い被覆資材)で一部の畑地を覆ったところ、今夏の暑さで温度が上がりすぎ、ダリアが全く芽を出さなかったそうだ。Nさんは70歳代の半ばだそうだが、こんな広いダリア園を女性お1人で維持するのは、やはり大変なのだ。



ダリア園はNさんが不在の時でも、自由に出入りできるそうだ。花の時期が終わっても、12月中は株の引き渡しなどで開園されているそうだ(開花時期に花の色や形を見ていただいて印をつけ、後日、株を引き取りに来ていただくという仕組みである)。進入路が狭いのと、駐車場が狭いので、電車でのご来園がお薦めだ。なおNさんのご連絡先は、090-2046-8376。

せめてダリアの株を購入して、葛城ひかりダリア園を偲んでいただきたいものだ。Nさん、これまでのご努力には敬服いたします。F先輩、ご紹介ありがとうございました!
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創業50周年、株式会社櫻井(吉野町)の減圧乾燥無垢材「よし坊」

2023年10月24日 | 林業・割り箸
『ナント経済月報』2023年10月号の「企業訪問レポート」は、〈吉野材を用いた最高品質の無垢材製造を目指して 株式会社櫻井 奈良県吉野郡吉野町〉だった。ここは集成材の大手メーカーとしてよく知られているが、最近は「減圧乾燥」させた無垢材を手がけている。減圧することで沸点が低くなるため、低温での乾燥が可能なのだ。記事全文はこちら(PDF)に掲載されている。リード文には、

株式会社櫻井は、吉野町に本社を置く木材メーカーで、構造用集成材や減圧乾燥無垢材などの製造を手掛けており、日本全国に良質な木材を届けている。同社は仕入先や販売先をはじめとしたステークホルダーとの信頼関係を大切にしながら成長を続け、2023年9月に創業50周年の節目を迎えた。

また、地元である吉野の町と共に発展していきたいという強い思いから、2015年に吉野材を用いた減圧乾燥無垢材「よし坊」の製造を開始し、2022年4月、奈良県内の民間事業者として初めて無垢材での機械等級JAS(日本農林規格)認証を取得した。同社は、これからも良質な木材の提供を通じて、日本の木造建築物の発展や吉野の町の活性化に尽力していく。


話題の「減圧乾燥無垢材」については、『県民だより』2022年7月号でも大きく紹介されていた(PDFは、こちら)。『ナント経済月報』(企業訪問レポート)の〈減圧乾燥無垢材「よし坊」の誕生〉の一節を抜粋すると、


減圧乾燥機と吉野の無垢材。『ナント経済月報』(企業訪問レポート)から拝借した

吉野の本社工場でも2015年から吉野材を用いた減圧乾燥無垢材「よし坊」の製造という新たな挑戦に乗り出した。無垢材は集成材と異なり、1本の木から切り出され、他の素材を貼ったり塗ったりといった加工をしないため、木そのものの美しい木目や目の詰まった年輪、色つやなどが優れているという特長がある。一方で生産コストが高く、乾燥させることが難しいという不利な面もある。

特に吉野材として有名な杉は含水率が高く、心材部と辺材部の含水率の差が大きいため、乾燥させることが困難な材質である。また、無垢材は色つやが重視されるため、ただ乾燥させればよいというわけでなく、色つやを保ったまま乾燥させる技術が求められる。

乾燥の難しい吉野杉を通常の手法で乾燥させると表面が焦げた色合いとなり、見た目が重視される無垢材としては利用価値が下がるが、色つやを残そうとすると乾燥が足りず強度の不足した製品となる。そこで同社は減圧乾燥機を導入し、乾燥機内の圧力を下げて沸点を低くすることによって、より低温での乾燥を可能にした。

乾燥機の操作プログラムの研究開発や実際の乾燥作業など、減圧乾燥無垢材の製造には多大な労力を伴うが、吉野材の魅力を広めていきたいという強い思いから、最高品質を追求するために試行錯誤を重ねながら、不断の努力を続けている。こうした努力が実を結び、2022年4月、一般的に無垢材での取得は難しいとされる機械等級JAS認証を奈良県内の民間事業者として初めて取得した。

機械等級JAS認証という公的な品質保証を得たことで、取引先からも同社製の無垢材はその風合いを残しながら安心して使用できると好評を得ており、まだ発展途上ではあるが、順調に販売実績を伸ばしている。


「企業訪問レポート」の末尾には、櫻井社長のこんなコメントが紹介されていた。

「木材の製造・販売を手掛ける我々の頑張りが、吉野の山を守ることにつながり、これからも山や町と共に成長していきたい。吉野材を使用している旅館などに宿泊した観光客などにもその良さに触れてもらい、世界中に吉野材の魅力を広めていきたい」。

無垢材の「減圧乾燥」という新たな分野にチャレンジされ、機械等級JAS認証をお受けになったとは、素晴らしい。吉野材の新たなマーケットを開拓していただけることを、大いに期待している。

『ナント経済月報』(2023年10月号)の「企業訪問レポート」




『県民だより』(2022年7月号)
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田中利典師の「仮のお姿だからこそ、有り難い」

2023年10月23日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、師の昔のブログではなく、Facebookに書かれた先週の木曜日(2023.10.19)の話である。師が長年「企業秘密というか、信仰的なタブー」と考えられてきた疑問が、千人結縁灌頂(10/5~10)の最終日、最後の護摩を焚き終えた瞬間に氷解した、という話である。
※トップ写真は、利典師のFacebookから拝借した

「権現」とは文字通り、「仮(権)に出現した」ということ。本地(本来の姿)である釈迦、観音、弥勒が、蔵王権現という仮の姿で現われた。

現在、過去、未来を見守る「釈迦、観音、弥勒」といういわば抽象的な存在が、「蔵王権現」という憤怒の形相の「具体的な姿」をまとって目の前に現われた。おかげで、衆生はその姿を拝むことができるのだ、ということに師が気づかれたという話である。以下、全文を紹介する。

「権現だからありがたいのだ…潅頂会護摩師で悟ったこと」
先日の金峯山寺千人潅頂会で全会の護摩師をさせていただいた。その最後の三摩波多護摩供を焚き終えたとき、長年にわたって私の中で疑問だった信仰的疑義が解けた。今日はそのお話しを吐露する。

15歳で修験道信仰に入った私は長年にわたって、本尊蔵王権現の素晴らしさについて布教してきた。しかしその傍らでじつはずーーーと疑問におもってきたことがあった。

権現とは仮にあらわれた姿をいう。権とは仮という言う意味である。権大納言とか権宮司とか…。蔵王権現様は本地(本来の姿)の釈迦・観音・弥勒の仏が、修験道開祖役行者の願いに応えて、大峯の岩を割って、権現として出現された姿である。

私の疑問は、…ってことは権現とは仮の姿なのだから、元の方がありがたいのではないんだろうか、っていうことだった。これ、今まで人に語ったことはない。企業秘密というか、信仰的なタブーでさえあるのだと私は思って、封印してきたことである。

それが一日二度、御開帳された秘仏蔵王権現様の足下で、千人におよぶ結縁の善男善女への護摩供修法を果たすに及んで、最終の護摩を焚き終えた瞬間に、いきなり氷解したのだった。それは「権現だからありがたいのである」であった。

人という生き物はやっかいなものである。昨日のこともくよくよするし、10年前の出来事だっていまだに後悔したりする。まだ来ぬ明日のこと、1年先のことも心配する。隣の町の心配もするし、隣の国、北朝鮮やシナ、ウクライナ、ロシア、イスラエル…と心配事は際限がない。

宇宙のことも心配する。太陽の黒点の動きも心配だ。海の底の地殻変動のことさえ、危惧している。そんなことは牛や馬や犬や猫はしないだろう。いや自分の死についても考え込んだり彼らはしない。人間は自分が死ぬことも知っている。そして多くの思いに悩み苦しむ。

しかもついには、そんな自分の存在が広い宇宙で広い世界で、たったひとりで生きている頼りない心細い存在であることにも気づいてしまうのである。

そんなちっぽけで儚(はかな)い人間にとって大事な支えとなるのは、自分を超えた永遠との出会いである。いわゆるグレートサムシングとの出会いを得て、こんな不確かで心もとない人生が安楽に生きられるのだと思っている。それが宗教の真の意味かもしれない。

で、蔵王権現の話に戻るのだが、仮にあらわれたのがありがたいのである。仮にあらわれたというのは、目の前に現実におられるっていうことだ。理屈とか理論とか、能書きではなく、仮でも何でも、目の前に現実にいるっていう権現様の有り難さ。

三摩波多護摩師のお役で6日間、12会にわたるお役を終えて、私は久しぶりに修行をさせていただいた気持ちになれた。そして千人の方をお護摩で加持させていただく中で、本当の権現様の有り難さに出会わせていただくことが出来たのだった。
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観光ボランティアガイドと「歩く・なら」(2023年度下期)

2023年10月22日 | お知らせ
奈良県のウォーキングポータルサイト「歩く・なら」をご存じだろうか。ならの観光力向上課(県観光局)が運営しているサイトである。そこに「令和5年度 観光ボランティアガイドと歩く・なら」というウォークイベントの情報が出ていた。

令和5年10月から令和6年3月までの期間、ウォークイベント「観光ボランティアガイドと歩く・なら」を開催します。奈良県内各地の観光ボランティアガイドよりすぐりの全16コースで、地元ガイドならではの話を聞きながら、奥深い奈良を歩き、旅をご一緒に楽しんでみませんか。

このウォークイベントは、「奈良県観光ボランティアガイド連絡会」が運営している。チラシによると同会は、

平成18年(2006年)4月に設立。奈良県の観光ボランティアガイド団体で構成。現在32団体加盟。団体間の情報交換や交流を目的に、各団体の代表者が一堂に集い、会議等を定期的に開催しています。

ガイド力向上のための研修会や、団体間連携事業の提案など、ボランティアガイド独自の企画発想で奈良県のおもてなし力向上のために奮闘中です。

地域に根差したガイドならではの話を聞きながら、奥深い奈良をより一層楽しんでいただけること間違いなし。奈良にお越しの際は、観光ボランティアガイドをぜひご利用ください。


2023年度下期の16コースのうち、これから開催されるのは以下の12コースだ。いずれも無料~1,000円で参加できる。奈良まほろばソムリエの会は、11/19(日)に吉野町上市周辺をガイドする(900円)。詳しい情報は、こちらのチラシ(PDF)をご覧いただきたい。

11月11日(土) 王寺の里太子道(太子葬送の道)散策ウォーク(王寺観光ボランティアガイドの会)
11月16日(木) 伊勢本街道を歩き、今話題の龍穴神社へ!(宇陀市観光ボランティアガイドの会)
11月19日(日) 悠久の吉野川 柳の渡しとレトロな上市(奈良まほろばソムリエの会)
11月25日(土) 古代史を歩く―神のいます里と古墳―(平群町観光ボランティアガイドの会)
11月26日(日) 「どうした家康」奈良町編(なら・観光ボランティアガイドの会)

12月 2日(土) 伊勢本街道・暗峠越えハイキング(生駒市観光ボランティアガイドの会)
12月 3日(日) 世界遺産を目指す藤原宮跡巡り(橿原市観光ボランティアガイドの会)
12月 9日(土) 飛鳥時代の葬るかたち(専門家による講演有)(飛鳥観光協会ボランティアガイド)

2月 3日(土) 在原業平「生誕1200年」記念ウォーク(天理市山の辺の道ボランティアガイドの会)
2月11日(日) 廣瀬神社砂かけウォーク(河合町観光ボランティアガイドの会)
3月30日(土) 馬見古墳群とかぐや姫(広陵町文化財ガイド)
3月31日(日) 大和高田千本桜と町並み散歩(大和高田市文化財ボランティアガイドの会)

※全てのコースが事前申込制です。
※各コースの詳細については、各案内団体にお問い合わせください(お問い合わせ先はチラシご参照)。
※体調がよくない場合は、参加をご遠慮ください。
※感染症拡大その他の状況により、中止になることがあります。


皆さん、ぜひお申し込みください!







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