「血はすぐ止まりますから・・」てな軽いジャブで先に進むのだ。違和感はあるものの、私は10代後半に蓄膿症治療をさんざん経験しているので、鼻の中をいじられるのはさほど苦にならない。のどに届いたときに『ウエッ』となった。「ここが喉頭です。この三角に見えてるのが声帯で、気管支への弁がこの突起・・・」などと説明してくれるのだが、吐き気で涙目になっているし画面を見るのもやっとだった。
バリウムで要精密検査となって、最初の胃カメラをやったのは15年程前だったけれど、その時は途中で管を無理やり引き抜こうと思った位に辛かった。二度目は麻酔液を咽喉に留めておくのがうまくいったのと、途中で少しづつ飲みこんだのがよかったらしくて、最初と較べたらかなり楽だった。もっとも10年前の二度目は、熱中症による急性肝炎で40度の熱だったから、身体全体がしんどくて胃カメラを辛いと感じる余裕もなかったかも知れない。
喉頭癌の心配は全くないなどとと言われつつ、えずいて涙を出し涎も垂らしながら、自分の声帯が縮んだり開いたりするのを見た。今どき風に表すなら、しんど面白いとでも言うのだろう。そして食道に進み、すぐに「あ~かなりこれは炎症がありますね~・・・」と言う。画面には白い炎症が両側にあった。画面一杯に見えるので大きいように思えても本当は拡大されて映ってるのでさほどではない筈。冷静にそんなことをその時に思ったわけではないけれど・・。
医師は緊張してる様子もなく「この炎症は逆流性食道炎ですね。大丈夫です大丈夫です・・」と言う。けっこう辛かったが、えずきよりもゲップが出るようになり「飲み込むよりどんどん出す方がいいです、そのほうがしんどくないですよ・・」との助言もあってだんだん楽になってきた。涎のような泡がたくさん見える。ときどきジュルジュルというような音がするのは細部画像を見やすくするために吸引してるのだろう。
胃に到達した。わたしの腹の中はシンプルに奇麗だ。かなり皺があるけれど美しさも感じられるのは手前味噌か。胃に入ったあたりから余裕もでてきたので「かなり皺があるもんですね」と言ってみる。「こう言うのもなんですが、ホルモン屋さんで食べるアレと一緒ですわ・・・」などと医師は言う。『ここで食欲刺激されたんか~い!?』とここもツッコミたいところだった。もちろんわたしは涎垂らしながら『ふむふむ』と拝聴していたんである。
(つづく)
バリウムで要精密検査となって、最初の胃カメラをやったのは15年程前だったけれど、その時は途中で管を無理やり引き抜こうと思った位に辛かった。二度目は麻酔液を咽喉に留めておくのがうまくいったのと、途中で少しづつ飲みこんだのがよかったらしくて、最初と較べたらかなり楽だった。もっとも10年前の二度目は、熱中症による急性肝炎で40度の熱だったから、身体全体がしんどくて胃カメラを辛いと感じる余裕もなかったかも知れない。
喉頭癌の心配は全くないなどとと言われつつ、えずいて涙を出し涎も垂らしながら、自分の声帯が縮んだり開いたりするのを見た。今どき風に表すなら、しんど面白いとでも言うのだろう。そして食道に進み、すぐに「あ~かなりこれは炎症がありますね~・・・」と言う。画面には白い炎症が両側にあった。画面一杯に見えるので大きいように思えても本当は拡大されて映ってるのでさほどではない筈。冷静にそんなことをその時に思ったわけではないけれど・・。
医師は緊張してる様子もなく「この炎症は逆流性食道炎ですね。大丈夫です大丈夫です・・」と言う。けっこう辛かったが、えずきよりもゲップが出るようになり「飲み込むよりどんどん出す方がいいです、そのほうがしんどくないですよ・・」との助言もあってだんだん楽になってきた。涎のような泡がたくさん見える。ときどきジュルジュルというような音がするのは細部画像を見やすくするために吸引してるのだろう。
胃に到達した。わたしの腹の中はシンプルに奇麗だ。かなり皺があるけれど美しさも感じられるのは手前味噌か。胃に入ったあたりから余裕もでてきたので「かなり皺があるもんですね」と言ってみる。「こう言うのもなんですが、ホルモン屋さんで食べるアレと一緒ですわ・・・」などと医師は言う。『ここで食欲刺激されたんか~い!?』とここもツッコミたいところだった。もちろんわたしは涎垂らしながら『ふむふむ』と拝聴していたんである。
(つづく)