鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

鼻から内視鏡 (その6)

2010年04月10日 22時46分19秒 | 健康ネタ
最後に医師は、「内視鏡を年に1回やってもらうのが、我々内科医の願いです」と言った。わが住宅地では唯一の内科開業医なので、一日一人ということは年に延べ250人しか胃カメラはできない。それなのに私が毎年やってもらってもいいものかどうか、などと心配しなくてもいいか・・・そうしようと思う。

パンフには胃カメラのほかに、大腸カメラ、超音波断層検査、呼吸機能検査、心電図検査、レントゲン検査、血管脈波検査もやっていると書いてある。一人でこれだけの装置を操る千手観音のような医師なんである。でも実は彼、別の業界から転職した医師だ。

他の職業を持っていたのに一念発起して医学生からやり始めたのだから努力の人である。才能にも恵まれ、愛されて繁盛しているのだ。しかし医師としての経験値は低いかも知れないので、別の見方をするなら、地域でこの医師を盛り上げ育ててもいる格好だ。この人に色んなところを診てもらって、治療してもらうのは、身を捧げて地域に寄与することにもなる・・・筈。そう華岡青洲の妻である。

「下の方からの内視鏡はまだ経験がないんですが、どうでしょう」と聞いてみた。「しんどいですよ、胃カメラと違って腸内を空っぽにしなくてはならないから・・・」と言う。『あまりやりたくないのか?』と思った。直ぐに軽い調子で言うには、「大腸などの異常は検便検査でかなり正確に把握できるんですよ・・・」

私は業界の健康診断で検便や検尿やレントゲンをやるので、そこでの要精密検査というカードをもらってからでいいか・・・と結論づけた。でも彼に大腸カメラをやってもらうのは、華岡青洲の妻気取りをしたくても、ケツの穴の小さい私はかなり尻込みしそうだ。

以前に住んでいた団地のご近所さんで夫婦共に献体登録をしている方がいた。私も死後、献体をしようと思って調べたことがある。最近は献体登録希望者が多くて、登録制限をしている大学病院が増えているそうだ。しかたないので私は今のところ、死後はどこにでもいいから散骨して欲しいと思っている。近頃、死後のことも準備しておかなければ、と思うようになった。

つい先日、私淑していた恩師が亡くなった。未亡人となった人と通夜が始まる前に少し立ち話をした。「あの人のおじいさんが亡くなったのが80歳だったから、それを越えた時に『オトウサン!お爺さんを抜きましたで・・』言うたら、『もう少々お待ち下さい』なんて、言うてたんやけどねぇ・・・」と言われ、通夜に行ってお悔やみを述べるところなのにふっと和んでしまった。横道ばかりになったけれど、これはこれで〆としたい。         (おわり)

コメント (6)
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