
ロゼットの根はまっすぐ地下深く潜り、相当に厳しい条件でも生きのびるそうだ。境界の筋目だから、宇治市の管轄ともウチのものとも言えそうだ。ネットで見ると、茎は中実とあった。中空ではなくて詰まっているということらしい。ところがウチのは中空だった。どうみたって、ほかすべての条件からブタナに違いないのに、これは困る。
タンポポほど、ストローになりそうにはっきりとした中空ではない。でも中空だ。先のハルジオンは中空でヒメジョオンは中実という区別がある。このブタナはブタナもどきなのか? だいたい中実はチュウジツと読むのか? 辞書では忠実としか出てこない。忠実から心を抜いたら不実だ。中実は実(じつ)がなく中空なんである。
そんな屁理屈はさておき、ブタナはなかなかにかわいい花だ。ウチの前の雑草おいしげる空き地に首をのばしてたくさん咲いている。その種が境界の筋に根を下ろしてロゼットを展開し花を付けた。隣の境界からは少しウチの方に寄っているのでウチの花だ。踏まないようにしたい、愛いやつ。