桃色椿
もしかしたらと期待された国会の証人喚問は「刑事訴追の恐れがありますので・・」ばかりだった。
目が泳いでいたというのか、左右に激しく動いている場面が何回もあった。
あれは質問者や状況に怯えているのではなく、決めた通りに、あるいは決められた通りにやり過ごさなければならないことへのプレッシャーからだったのだろう。
もしかしたら命の危険を感じているのかも知れない。
訳のわからない脅迫を受けたり嫌がらせを受けたりして、頭の良さでは対処できない気持ち悪さを感じているのかも知れない。
時の人は命を削って何かを守っているようだ。
もちろんのこと、自分の命だ。
生存を賭けた戦いという必死さがあった。
昔、高崎一郎がジョーン・バエズの司会をした時のことが思い出される。
国会で喚問されることを人生最大のショー・タイムのように陽気に喋った人は、長期勾留されて霜焼けになったそうだ。
ここしばらくの陽気で快癒しただろうか。
一方の総理は記者の問いかけに、米大統領も揶揄するニンマリ顔で「ご苦労様」と片手を上げて去った。
運動公園の枝垂桜と昼行灯のような月