東北学院 中学・高校体育館の妻面の大開口部のサッシの方立
■ 挫屈止めを設けて細くし、更に上下とも端部を絞ってすっきりと納めている。サッシは同一寸法の部材の繰り返し、そこに美を追求するという設計者の姿勢が窺える。
一週間続けて繰り返しの美学をとりあげてきた。そもそも繰り返しの美学とは何だろう・・・。
建築を構成する要素(具体的には建築材料や部品)の建築における位置や寸法、形状、材質あるいは性能を一義的に決める行為として設計を理解することが可能だ。そう、建築はものを秩序づけることによって成立する。
例えば、床にタイルを貼るというのは一枚一枚のタイルの位置を確定する行為と捉えることができる。この、ものを秩序づける行為の結果を視覚的に最も理解しやすく示す状態として、「建築構成要素の繰り返し」があるように思う。
言い換えれば、建築構成要素の規則的な繰り返しに、ものを秩序づける行為の所産としての建築が最もビジュアルに示されているというわけだ。材料の質、例えば強度の均一化も、その行為ではあるが、結果は視覚的には把握できない。
ではなぜ秩序づけられたものに美を感じるのか・・・。認知心理学? このことを解き明かす学問も存在するのかも知れないが、私はこのことを数学で扱う「公理」のようなものと理解するに留める。
秩序づけられたものは美しい、繰り返しの美学はそのことを視覚的に示す代表例