透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

書店の役割

2006-09-26 | A あれこれ

 

 昨晩のブログで今までに発表した「作品の自己解説」と表現した。布団にもぐり込んでからなんだか変な表現だな、と気になった。自己解説などという表現をなぜしたんだろう・・・。ネットで検索してみて、全く無いわけではないことに気づいたが、普通は「自作の解説」と表現するよな、と思って修正しておいた。ときには無知をさらけ出すことになるということを覚悟しておかないとブログなど書けるものではない。

一昨日(24日)の「週刊ブックレビュー」の後半のゲストは小川洋子さんだった。確か前にも触れたが『博士の愛した数式』新潮文庫の解説で数学者の藤原正彦氏は、取材のために研究室に現れた小川さんの印象を**化粧気のない、清楚な大学院生のような人だった。**と書いている。小川さんは1962年生まれだから44歳か。でもテレビに登場した小川さんは本当にそのような印象の人だった。

昨晩小川さんの作品を読んだのは彼女の人となりを知りたかったからだが、真面目そうな雰囲気が各エッセイに滲み出ていた。

ところでこの本に収録されている「書店の役割」というごく短いエッセイにこんなくだりがある。

**最近は、書評欄などで気に入った本をチェックし、インターネットで注文することが多くなった。三日もすれば宅配便で届けてくれるので、重い本を自ら運ぶ手間が省けるし、送料は書店まで出向く交通費だと思えば、気にならない。ただ、求める本が手に入っても、何とも言えない空しさは残る。やはり、書物の海を自分の身体でさまよい、予期せぬ発見によって手にした本ではないからだろうか。**

私は未だネットで本を注文したことがない。電脳環境にしっくり馴染めないことが一番の理由だが、やはり本は書店で書物の海かどうかは分からないが、書棚をいったり来たりして探すのが楽しいと思っているからだ。見つからない本は書店に注文する。時間がかかるが、忘れた頃手元に届くのも悪くはない、そう思っている。

長嶋有の本が見つからない、注文するしかないか・・・。