明安小学校(山形県最上郡金山町)のワークスペース
■ この小学校は児童数が80人にも満たない小規模校だそうです。写真の左側の壁に5という数字が見えます。5年生の教室です。普通教室(3年生から6年生の教室)、昇降口、保健室などを直線的に配置し、その隣にこのワークスペースを計画しています。独創的な架構の繰り返し、すばらしい空間構成です。
アーチ状の梁は地元産の杉の集成材とのことです。この写真では分かりにくいのですが、アーチ梁の端部を方杖で受ける構造になっています。アーチ梁相互を鋼材で結んでこの写真の奥行き方向の動きを拘束するなど、かなり工夫された架構です。ペンダント(吊り下げ照明)やブラケット(壁付き照明)なども繰り返しの美学を補強しています。
手元の資料によると金山町は美しい街並みづくりで有名なところだそうです。この町のそういう土壌がこのような美しい空間を生んだのでしょう。こんな空間を日常的に体験している子供たちはきっと感性が豊かに育つでしょう。設計者は小沢明さん。木造の得意な方と記憶しています。
ただ単に機能的なダイヤグラムに沿ってプランニングして、はい出来上がりっていう学校が多いのですが、そこから豊かな空間を創るために心血を注ぐ・・・、大事なポイントだと思います。このような作品に接すると尚更そう思います。