透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

建築を見て都市を見ず(改稿)

2008-07-24 | A あれこれ

 暑中お見舞い申し上げます。

毎日暑いですね。最高気温が 35℃以上の日を猛暑日と呼ぶと気象庁が昨年決めましたが、何年かすると最高気温が40℃以上の日の呼び方を決めましょう、などという提言がなされるかもしれません。猛暑日よりもっと暑い日の呼称・・・、考えたくないですね。

さて今回のタイトル「建築を見て都市を見ず」は「木を見て森を見ず」から思いつきました。このタイトルで何か書こうと思います。

 東京は暑いでしょうね。ここ何年か東京には年4、5回出かけていますが8月に出かけたことはこの間一度もありません。

オフィスビルや住宅の空調機からの排熱、車からの排熱、舗装され尽くした地面・・・。品川や汐留などのウォーターフロントには高層ビルが建ち並び、海から吹く風(海風)を遮ってしまっていて都心の気温をさらに上昇させているという指摘もあります。

建築の計画に際して都市的なスケールからその妥当性が検討されることは恐らくないでしょう。従って海風を高層ビル群が遮ってしまうなどという問題は検討課題に挙がることもないでしょう。

現在の都市計画法にもそのような観点からの規定は、どうでしょう、おそらくないと思います。敷地と建築との関係に関する規定で終っているのではないでしょうか。

**都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与すること**が都市計画法の目的として謳われてはいますが「建築を見て都市を見ず」という状況を解消するまでの効力はおそらくないでしょう。

都市の構造を様々な観点から検討してそのありようを示すマスタープランはやはり必要だと思いますが、日本では50年、100年という長いタイムスパンの計画など出来ないようです。せっかちなんですね。数年で達成できる計画しか出来ない。ですから建築単体の計画は出来ても都市計画などは到底無理。それに昔のように建築家(都市計画家はこの国では不在です)が都市計画のマスタープランを発表しなくなりました。

先に挙げた高層建築群が海風を遮ってしまうといった、都市的なスケールとなった段階ではじめて起こるような問題の解決はこの国ではやはり無理なようです。

他にも例えば「防災」も個々の建築で解決できるものではなくて都市的なスケールで検討すべき問題でしょうが、やはり同様の理由で無理でしょう。

利便性を享受する代償として、厳しい夏の暑さにさらされることなど別にどうってことないさ、といった都市生活者の声が聞こえてきそうです。ま、そのような割り切りを否定するつもりなどありません。でもこのところ頻発している地震が東京で起きたら、それも大地震だったら・・・。

どうもいけません。この先どのように話を展開したものか・・・、論理フローくらいはあらかじめ考えてから書き出すべきでしょうね。次回はそうします。でもいつも何も考えずに書き出していますから無理かな・・・。海図なき航海で、どこに行き着くのか分からない、という私のブログの書き方は変えようがないかもしれません。


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