■ 朝のラジオ番組「日本全国8時です」、毎週火曜日のゲストは詩人の荒川洋治さんです。今朝、荒川さんは文庫本のカバーデザインについて語っていました。取り上げていた文庫の1冊がこれ、集英社文庫の「伊豆の踊り子」です。
森本さんが「おっぱい丸出しかと思った」と確か言ってましたが、確かにそう見えますね。 集英社、何を考えているんだか。こういう奇を衒ったデザインって一過性で長続きしない、と私は思います。川端康成の文学に相応しいとは思いません。このデザインでは書店で手にしようとは思いません。あ、いや、あれ?って気になって手にとってよくよく見るかも知れませんが、購入しようとは思わないでしょう。集英社新書のデザインは好きですが。
ちなみに集英社文庫の「こころ」は
これです。若い人たちに読んで欲しい、という意図でしょうか。京極夏彦か乙一かと思ってしまいます、でもどちらとも少し違うかな。
岩波文庫は品位を保っていると荒川さんが言ってましたが確かに岩波の良識を感じます。角川のデザインも悪くないですが、「こころ」というか漱石に相応しいかどうか。
この白いカバーをみてあれ?って思いませんでしたか? 先のラジオ番組でも話題になっていましたが、これは新潮文庫の期間限定スペシャルカバー、だそうです。このデザインからは近代文学の名作というイメージは伝わってきません。上品なデザインだとは思いますが、現代文学かなと思ってしまいますね。
こうしてみるとデザインって多様ですね。そしてデザインの力が売上を大きく左右するだろうなって改めて思います。
漱石といえばやはり一番右の津田青楓が装幀をした「色鳥」から採ったというデザインが好きです。