透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「自炊」

2010-12-08 | A あれこれ

 6日付の産経新聞の朝刊に蔵書の電子ファイル化に関する記事が掲載されていた。記事に使われていた自炊という言葉は「本を裁断してスキャナーで内容を読み取り、自ら電子書籍化すること」という意味だという。「自分で食事をこしらえること」 (広辞苑)という本来の意味とは違うのだ。

データをUSBメモリに吸い取るというような表現をすることはある。自分でデータを吸い取るという意味で「自炊」か。わざと誤字をあてることはネット上ではよくあることだ。

ある建築雑誌を定期購読していたころは興味ある記事だけを切り取ってホチキスで留めて透明ポケットファイルにストックしていた。それと同様の行為だと思えば、自炊も理解できないことはない。いや自炊の方が情報管理という点では優れている。が、それが本となると、本好きには理解できない。自炊は雑誌限定の行為ではないのか。

本というリアルな存在がバーチャルなデータに置き換えられる。これも抗しがたい時代の流れなのか・・・。