透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

建築と本

2010-12-04 | A あれこれ

 建築と本をひとつのカテゴリーで括るのには無理があると思いつつも、そのままにしてきた。過去の記事にまで遡ってカテゴリーを分けることはもはや不可能だから。もっとも建築設計と文章を書くこととは似てはいる。建築言語、ボキャブラリーをルールに則って構成することが設計に他ならず、そうして建築は成立しているわけだし、文章もまた文法というルールに従って単語、ボキャブラリーを構成することで成立しているのだから。

『本は、これから』岩波新書に収録されているジャーナリスト・外岡秀俊氏の「三度目の情報革命と本」という論考に出てくるが、スイスの歴史家・ブルクハルトは、ルネサンスの二大情熱として「書物」と「建築」を挙げているという。情熱という言葉の意味がよく分からないが、とにかくこの視点からは、建築と本はひとつに括ることができる、ということらしい。

このくだりを読んで、建築と本をひとつのカテゴリーにしていることの違和感というか不自然な感じがなんとなく薄らいだ。赤塚不二夫的納得 「これでいいのだ」。