■ ここ何年か初詣に出かけている善光寺、前稿の通り(って別におやじギャグじゃない)、今年も昨日(2日)に行って来た。帰りに長野駅前の大型書店に立ち寄った。
文庫本はいくつもの出版社から出ているが、いつの間にか出版社別ではなく、作家別に並べられていた。このような並べ方をしている書店が他にもあるが、私は嫌いだ、支持しない。
その理由を書く。
店内には作家別に並べ変えたことの案内が掲示してあったが、その文面に作家別だと文庫本が探しやすい、要するに効率的だという意味のことが書かれていた。まあ、確かにそうかもしれないが、この並べ方は本好き、書店好きの人たちに支持されるだろうか・・・。
たぶん私だけのことではないと思うが、本好き、書店好きはじっくり時間をかけてあっちの書棚、こっちの書棚と書棚巡りをすることが好きなのだ。決して効率的に本を探そうなどと思ってはいない。
仮にそうだとしても好きな作家の作品がどの文庫に収められているかということは分かっているから、出版社別で一向に構わない。
以前、新潮社に電話で問い合わせたことがあるが、書店で作家名のあいうえお順に並べられることを前提に、隣り合う作家で背表紙の色がかぶらないように配慮しているそうだ。もちろん作家の希望も考慮して。
出版社別に並べられている書棚には各出版社のデザインの特徴が出ているし、統一感、秩序が感じられて好ましい。各出版社の文庫本が揃っていて整然と並ぶ様は感動的ですらある。そこには「繰り返しの美学」がある。このことは新書にもあてはまることだが、何年か前に講談社現代新書の表紙と背表紙の色がバラバラになってしまった。
話を長野駅前の書店内に戻す。
作家別? ならば小川洋子や川上弘美の未読本を探そうと思って書棚を見るが、見つからないではないか・・・。
え?そんなバカなと思って別の書棚を見ると、そこには人気作家(記憶違いで、ベストセラー作家だったかもしれない)コーナーという表示があって、ふたりの作品はその棚に並べられていた。
この並べ方にも賛成しかねる。書店独自の判断でそのような作家を決めることって、読者に歓迎されるだろうか。好きな作家の作品がその棚に並んでいなければ、残念に思う人もいるだろう。
不特定多数の人が関わるルールに例外などつくってはいけない。作家別に並べるなら、ルール通りに全てあいうえお順に作家を並べないと・・・。
本好きの店員さん 「今の並べ方に本当に賛成なんでしょうか?」