**われわれは、「民主主義」や「市民」の意味を正しく理解しているのであろうか。「個人主義」や「共和国」といった事柄を、本当に知っているのであろうか。(7頁)
**日本語の「市民」には、古代ギリシャから近代までの歴史経験が、ほとんど十把一絡げに投げ込まれているのである。**(102、3頁)
『日本語の宿命 なぜ日本人は社会科学を理解できないのか』 薬師院仁志/光文社新書を読み終えた。今年は何でも読もうと決めた。でなければまず手にしない本だ。
文化的、歴史的なバックボーンが国によって異なるから抽象的な概念を表す言葉に負わせる意味がピッタリ一致しなくても特に不思議ではない。日本語には漢語というレイヤーが重なってもいるから西洋語(英語、ドイツ語、フランス語など)との対応付けをより難しくしている面があるのも頷ける。
明治の知識人が西洋語の和訳に際し、苦労したのも分かる。もともと日本には無い抽象的な概念について、意味のズレが生じてしまうのも至極当然とえる。
このような認識でこの本を読めば、特に!もない。私の読みが浅いというか、興味が内容深くには及ばない・・・。