透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

トキワ荘

2013-02-25 | D 新聞を読んで


信濃毎日新聞 130225付朝刊 11面

■ 今日(25日)の朝刊に藤子不二雄の「まんが道」の完全版刊行に関する記事が載っていた。

この漫画は読んだことがないが、記事によると**少年時代を富山県高岡市で過ごした少年2人が上京し、人気漫画家コンビ「藤子不二雄」になるまでを描いた成長物語。**だそうだ。

2人はまだ新人の頃、出版社の依頼を全て引き受けていたそうだが、正月に帰省して気が緩んで原稿の8割を「落として」しまったそうで、各出版社に「藤子不二雄は使うな」というおふれが回り、その後2年間、仕事がなかったという。

藤子さんはトキワ荘の仲間がいなかったら、この時の2年間は耐えられなかったかもしれないと語っている。このエピソードも「まんが道」には描かれているそうだ。



『若者が無縁化する』宮本みち子/ちくま新書 に出てくるが、つまずいている子どもや若者は孤独にならない生活の場や人と共に食事ができる場を喪失し、仲間がいなくて、他者から必要とされない状態にあるという。 これは孤立化、無縁化という言葉の説明そのものだが。

漫画家たちが共同生活をしていたことで有名な「トキワ荘」は上の条件とは全く無縁な環境で、まさに理想郷だったのだろう・・・。