透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

人物評伝 「田中角栄」

2013-02-17 | A 読書日記



 田中角栄。「日中国交正常化」「日本列島改造論」「ロッキード事件」といったキーワードがすぐ浮かぶ。

朝日新聞の記者だった早野透氏が、間近に見てきた田中角栄の表と裏、明と暗を戦後政治史をベースに詳細に描く『田中角栄』中公新書を読み終えた。

平成5年12月16日、田中角栄は「眠い」という言葉を残して息を引き取る。**角栄邸で、角栄の亡骸に対面した政治家は、細川護熙首相、河野洋平自民党総裁、そして土井たか子衆院議長の三人だった。土井は角栄の顔をのぞいて、「とてもいいお顔をしているわね」と言った。さまざまな苦労を抜け出て、ほんとにいい顔をしていると思った。そばで娘眞紀子が「お父さん、土井さんが来てくださったのよ。起きて」と泣いていた。**(389頁)本書で最後に紹介されるエピソードだ。

衆議院議長という立場、儀礼を超えて土井たか子は政敵の田中角栄と人間として向き合った。その誠実さを田中角栄が引き出したのかもしれない・・・。図らずも目が潤んだ。

何でも読んでやろうで、いい本に出合った。


 


「隕石で多数の負傷者」からの連想

2013-02-17 | D 新聞を読んで

  
16日付朝刊1面の見出し(特記無きは信濃毎日新聞)

 「ロシアに隕石1000人負傷」 昨日(16日)の朝刊1面のトップはロシア南部、ウラル地方のチェリャビンスク州の上空で隕石が爆発、強い衝撃波で建物の窓ガラスが割れるなどして多くの負傷者が出たという記事だった。

直径17メートル、重さ1万トンとNASAが推計した隕石が上空20~25キロで爆発したということで、エネルギーは広島原爆の30倍を超えるという。この規模の隕石は100年に1回の頻度で落下するそうだ。恐竜が絶滅したのはユカタン半島に落下した巨大隕石が原因とされている。

*****

絶滅した恐竜を遺伝子工学、バイオテクノロジーで現代によみがえらせるというアイディアをマイクル・クライトンが『ジュラシック・パーク』で示してみせた。



**「樹脂というやつは――」ウーが説明をつづけた。「しばしば昆虫をからめとり、閉じこめてしまうことがあります。すると昆虫は、化石化した琥珀のなかに完璧な状態で保存される。琥珀のなかからはじつにさまざまな種類の昆虫が見つかっているんですよ。そしてそのなかには、大型動物の血液を吸っている昆虫もふくまれます」
(中略)
「ということは恐竜の血液も・・・・・」(上巻196、7頁)

昆虫の体内に残っている血液から抽出したDNAをスーパーコンピューターで解析して、複雑な作業を経て恐竜をよみがえらせる・・・。隕石落下のニュースでこの小説のことが浮かんだ。


17日付朝刊5面(国際面)の見出し

もっとリアルなこと、あの国から核ミサイルが日本に飛んできて・・・。それだけは無いように(祈)。