■ 今日(6日)の朝刊に新潮社の広告が載っていました(写真)。
以下その広告文からの引用です。
**本を読んでいると、ある一行に心をつかまれることがあります。(中略)宝物を探すように、言葉の世界を旅すれば、とっておきのあなたの一行に出会えるはずです。**
繰り返し何回も読んだ福永武彦の『忘却の河』新潮文庫からワタシの一行。
**世の中には不親切な人はいっぱいいるわ。小父さんは私が病気だから親切にしてくれるんじゃなくて、御自分が寂しい人だから、わたしみたいな寂しそうな女を見ると親切にしなくちゃ気がすまないのよ。**(44頁)
手元に昭和54年の17刷版と平成19年の33刷版がありますが、2冊ともこの箇所に付箋が付いています。
若かりし頃、心惹かれる女性は皆どこか寂しそうでした。明るく振舞ってはいてもときどきみせる寂しげな表情に惹かれてしまうのはなぜ・・・。
この一行を読んでその理由がわかったのでした・・・。