信濃毎日新聞9月6日付朝刊1面より
「タンク汚染水 地下水に到達」
**東京電力は5日、福島第1原発で約300トンの高濃度汚染水が漏れた地上タンク付近で、地下水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり650ベクレルの濃度で検出されたと発表した。**新聞記事からの引用
この国は実に厄介な問題を抱え込んでしまった。
放射性物質で汚染される水は毎日どのくらい出ているのだろう。新聞記事によると原子炉建屋地下に流れ込む地下水は1日400トンだという。 単純に考えれば汚染水はこの流入量、即ち1日400トンの割合で増加していることになる。既に発電所の西側に設置されたタンクは1000個以上、そこに合計で33万5000トンの汚染水が貯蔵されているという。
毎日増え続ける汚染水を地上タンクにストックし続けることが可能などと東電や政府は本気で考えているのだろうか・・・。
タンクの材質は分からないが鋼板製だとしたら腐食の問題は避けられない。今後何年間保管することになるのか分からないが、やがて腐食が原因でタンクに穴があき、汚染水が漏えいすることになりはしないか。海岸沿いだから鋼板は腐食しやすい。そうなる前に別のタンクに移し替える? なんだか場当たり的、モグラたたきのような対応だ。
現在とられている対策、原子炉建屋の水上側に掘った井戸で地下水をくみ上げるという地下水バイパスは確かに建屋の地下に流入する水量を減らせるかもしれない。でもそれが確実に有効な、抜本的な解決策だとは誰も考えていないだろう。
どうする・・・。繰り返す、この国は実に厄介な問題を抱え込んでしまった。
お手上げ状態になって、海に汚染水を垂れ流し続けることしかできない、などという事態に陥らなければいいが・・・。