■ 鎌倉から都内に戻って、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中のレオナール・フジタ展を観ました。
フジタ(藤田嗣治)といえば「乳白色の肌」が特に有名な画家ですが、戦後、子どもたちを実にたくさん描いています。独特の表情をした子どもたちの絵が何点も展示されていました。小さなサイズの絵が多かったのですが、子どもたちのちょっと物憂げな表情は独特で存在感がありました。
フジタの絵はどれもスカッとした明るさがないんですよね。なんとなく暗い影が付きまとっているような・・・。
**国籍不明で、無表情、思考も感情もないような子どもたちの姿に日本とフランスの間で揺れ動く複雑な心境がみえます。**会場で手にしたリーフレットにはフジタの描く子どもたちの絵についてこのような説明文があります。
上の写真は2006年の秋、竹橋の国立近代美術館で開催された藤田嗣治展のチケットですが、ここに採用されている絵の女性の表情からもやはり同じ印象を受けます。
**現在、竹橋の近代美術館で藤田嗣治生誕120年の展覧会が開催されている。ポスターに採用された「カフェにて」の女性の物憂げな表情には、必ずしも生活が幸せではなかったという藤田の内面が現れている・・・。 **
私はブログの初めての記事に、このように藤田の絵の印象を書きました。
ところで、今回、ザ・ミュージアムで開催中の展覧会にはアトリエで制作するフジタの姿を捉えた、土門拳の写真も展示されています。乳白色の肌を一体どのようにして描き出しているのか・・・。フジタはその答えを明かさなかったそうですが、なんと、その答えが写真に写っているのです。貴重な写真だと思います。
また、フジタと交流があったというモディリアーニらの作品も少しですが展示されています。
10月14日までの会期です。
以上で今回の「週末東京」の記事を終わりにします。