■ 京王線新宿駅のホームで東京の友人と待ち合わせ。芦花公園駅で下車して、世田谷文学館へ。今月28日まで開催中の「日本SF展・SFの国」を観る。
展覧会場内でここだけは撮影OKだった。
**(前略)名誉ある展覧会を(中略)開催していただけることは、第一世代の生き残りの一人としての私の、まるで今やっとSFが文学史に組み込まれたかのようにも感じられる、大きな喜びです。** 筒井康隆の文章が展覧会場入り口に掲げられていた。
SF雑誌のバックナンバー。拡大鏡を使わなければ読めそうにない星新一の細かな文字で書かれた原稿。小松左京の「日本沈没」の構想メモと映画のコンテ。手塚治虫の原画。真鍋博のイラスト。会場内で流されていたテレビアニメ「鉄腕アトム」のオープニング映像は懐かしかった。
「日本のSFって所詮は娯楽よね」とは思想性、哲学性に富む海外の長編SFを好む友人の感想談。
■ 品川まで出て昼食。その後、原美術館へ。この美術館のウィキペディア、東京ガス会長、日本航空会長、営団地下鉄総裁などを歴任した事業家・原邦造の邸宅を美術館にした。
モダンアートはよく分からない。理解しようなど考えてはいけないのだろう。でも、理解しようとするのが脳。
夜の街を青白く浮かび上がらせる自動販売機はこの国の社会と文化を物語るアイコン、という意味のリーフレットの説明文。読めばなるほど確かにと思うし、そう知って作品を観るとベネディクト・ハンマーというドイツ出身の作家の批判的な精神が見えてくる。
今村遼佑という作家の映像作品。窓際に置かれた炭酸水入りのコップと時計、窓の外の樹木を固定アングルで写した映像には、注意して見ていないと気がつかない加工がしてある。それに気がついて次の未加工の映像作品を観ても、やはり加工を探してしまうという脳の癖を知る。
床に無造作に置かれた幾つもの白い紙風船。芝の中庭に出る。そこに置かれた錆びた鋼板とその4隅の自然石。アートって何? モダンアートを観る度に湧く素朴な疑問。
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中庭で蚊に刺された。デング熱を発症させた代々木公園の何とか蚊がここにもいるという。虫よけが置いてあったけれど使わなかった。潜伏期間を過ぎたら発症するかもね。
夕方6時新宿発のあずさで帰松。今回も充実の週末東京だった。