■ 前にも書いたが藤森照信さんは建築家を物の実在性を求める赤派と抽象性を求める白派にスパッと分けてみせた。藤森さんによると赤派の祖はル・コルビュジエで白派の祖はミース・ファン・デル・ローエだという。
松本市梓川のカフェ バロの内部は抽象的な「白」の空間だ。床に無垢のフローリングという「赤」を使っているから、「真っ白」というわけではないが。このような空間は絵画などの作品展示にも適している。
実際、ポスターなどの芸術作品が展示され、バロはアートな空間になっている。昨年、東面の壁はオーナーのKさんの企画で「珠玉の一枚」を掛ける壁となった。既にプロの作家ふたりの作品が掛けられ、上質な空間を演出し、お客さんたちを楽しませてきた。
私がKさんから「火の見櫓のある風景のスケッチを」とオファーを受けたのは確か昨年の初秋のことだった。固辞すべきところ、何年か前から自己表現というか、情報発信は大いにすべきと考えているので臆面も無くOKしてしまった。
先週の金曜日(6日)、昨年の秋に描いたスケッチを持参した。今、珠玉の一枚の壁面に私のスケッチが掛けられている。
うれしいような申し訳ないような・・・。 → 「カフェ バロの居間心地」