透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

週末読書

2015-02-15 | A 読書日記



 独身週末、昼間っからウイスキーで酔っぱらっていたわけではありません。専ら『吉田松陰 「日本」を発見した思想家』 桐原健真/ちくま新書と『日本の景観 ふるさとの原型』 樋口忠彦/春秋社を読んでいました。 と、ここまでは特定の読者を意識してこの週末をどのように過ごしたか書きました。

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読了した2冊のうち、『吉田松陰』については、結局字面を目で追っただけでした。やはりこの時代の基礎的な知識がないと読みこなせません。著者は大学で卒業論文も修士論文もそして博士論文も松陰について書いたとあとがきにありました。

**日本に生まれながら、日本が日本である根拠を知らなければ、どうして生きていけようか―松陰は水戸学者たちとの交流のなかで、そのように反省したという。(中略)ついに兵学者としてのみずからの存在意義を「長州藩」を越えた「皇国」を守ることに求めるに至る。彼はついにみずからが守るべき存在―「日本」―を発見したのであった。**(81頁)

**後期水戸学は、三百諸藩からなる封建的分邦という部分を越えた全体としての「日本」という自己像を、幕末日本の知識人や志士たちに与えたのであり、松陰もまたこうした主張に感化された一人だったのである。**(82頁)

このような論述を読んだことだけで良しとしておきます。今、書店には吉田松陰について書かれた本が平積みされています。他の本も読んでみよう、と思います。

『日本の景観 ふるさとの原型』はいままでに数回読んでいます。水色のテープは20代の時に読んだ本に貼ってあります。巻末に19811122 新宿紀伊國屋書店とメモ書きしてあります。どうも減冊していって残るのは若かりし頃読んだ本になるような気がします。

内容については稿を改めて書きます。食前のアルコール効果が出てきました・・・。


 


 


繰り返しの美学

2015-02-15 | B 繰り返しの美学


安曇野市新本庁舎1階、市民サービスカウンター上部の案内サイン

■ 繰り返しの美学についてはその対象を次第に広げてきたが、もともとは建築の構成要素を一方向に一定の間隔で繰り返すことによって生まれるりズミカルな美しさに注目したものだった。

前稿に書いたようにこの庁舎は使う材料もその色も限定的で、壁や天井の構成要素を平面的に、あるいは直線的に繰り返すことにより、美しさ、心地よさを得ている。そう、繰り返しの美学なデザインだ。

この写真で分かるようにレンガ色の案内サイン板の吊り棒も天井の照明を組み込んでいるスリットも壁の板張りも同じパターンの繰り返し。繰り返しの美学