■ 出勤途中スタバで早朝読書。『日本の風景・西欧の景観』オギュスタン・ベルク/講談社現代新書、1990年に読んだ本を読み返す。このころの講談社現代新書のカバーデザインは今とは違う。
**平野や盆地などの平地のある場所において、人が背後による所のある山の辺、野(ノ)に棲息地を求めるということは、なるほど、そこが、背後による所があるという「身を隠す場所」の条件と、広がりのある場所を見渡せるという「眺望・見晴らし」の条件を備えているということなのかもしれない。**
読み終えた『日本の景観』樋口忠彦/春秋社にこんな記述があったが(106頁)、今朝スタバで先の新書を読み始めると**アプルトンは名高い動物行動学者コンラート・ローレンツの研究業績から直接に着想を得て、眺望/隠れ家という二重の観念を明確にしている。原始人にとって風景は、見られずに(隠れ家)見る(眺望)ことを可能にすればするほど高い価値があったのである。**(18頁) という同様の内容の記述が出てきて驚いた。
子どものころよくかくれんぼをして遊んだが、隠れるのに適した場所はオニの姿を見ることができて、なおかつ見つかりそうにない所だった。見つかりそうにない所でもオニの様子が分からないと不安だったし、オニの様子が分かる所でもすぐ見つかりそうな所だとやはり不安だった。
引用したふたつの文章が指摘していることは子どものころのかくれんぼの経験から理解できるのではないか。
今年は景観に関する本を読んでみることにするか・・・。