『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』山崎晴雄・久保純子/講談社ブルーバックス
■ 日本列島はなぜ弓形をしているのか? 今まで疑問にも思わなかったこの設問にびっくりして、読んでみようと思った。
第1章 日本列島はどのようにして形作られたか でこの設問に対する説明がなされている。日本海が誕生したメカニズムはアフリカと南米が分裂して、その間に大西洋が現れたのと同じだという。そういえば高校の地学の授業で大陸移動説が出てきた。南米の東海岸とアフリカの西海岸が元々はくっついていたという話。確か、同じ種類のカタツムリがどちらにも生息しているのがその証拠のひとつだという説明だった。
日本海開裂について**海洋プレートの沈み込みが行われていたユーラシア大陸の東の端で、沈み込む海洋プレートと、その上の大陸プレートとの間のマントルに対流が発生し、その湧昇流で大陸プレートが引き伸ばされ、ついには分裂し、その下の海洋プレートが現れ拡大したことをいいます。**(18、9頁)という説明がなされている。
**日本海開裂によって分断された東側の細長い大陸地殻は、回転しながら東側へ移動しました。この時、現在の東北日本は反時計回りに、西南日本は時計回りに回転し、両者の間にはフォッサマグナと呼ばれる大地溝帯が形成されました。**(19頁) これが日本列島が弓形をしている理由、先の問いに対する答え。すごく長大で想像もつかないタイムスパンのドラマだ。
地形の成り立ちや成因を知る地形発達史を研究している著者には日本列島が移動していく様子がイメージできるのだろう。著者は美しい富士山も一瞬の姿だとも書いている。
第2章から第8章までは第1章の総論に対する各論。
日本列島を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州の7ブロックに分け、各ブロックの特徴的な地形について、その成り立ちを解説している。
なかなか興味深い内容の本だった。
ブルーバックス通巻2000番の本