3月は「みおつくし料理帖シリーズ」全10巻を読んだ。
作品が作家の手を離れたとき、その解釈は読者にゆだねられる。この作品を恋愛小説として読んで、作者の高田 郁さんはこの数行を書くために10巻を費やした、と解しても構わないだろう・・・。
**霞み立つ遠景を背負った男は、淡い褐返の紬の綿入れ羽織がよく似合う。
小野寺数馬、そのひとだった。
澪の様子を、そこでじっと見守っていたのだろう。ふたりは暫し、無言でお互いを見合った。二年の歳月が、小松原と澪との間に優しく降り積もる。**(234頁)
日本人の暮らしと十二支動物、自然との深いかかわり。十二支動物から取り組む日本文化論。
4月は小説から離れる。