透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

965 松本市梓川梓の火の見柱

2018-04-01 | A 火の見櫓っておもしろい


965 松本市梓川梓 1脚〇3型 撮影日180401

 これ程きちんとした屋根と見張り台が載った火の見柱は珍しいのではないか。屋根には避雷針と風向計が付いている。逆光でうまく撮れなかったのは残念。





かなり太い鋼管柱の上端に大きなリブプレート(ということで良いのかな)を付けて、屋根付き見張り台を載せている。見張り台の床は厚い鋼板製。櫓に比べて省スペース、だから狭い場所にも建てることができる。


それがしさんのブログ「火の見櫓をさがして」でこの火の見柱(一般的には火の見櫓と呼ばれるが、柱が1本の場合、火の見柱と呼称している)を知った。記して感謝する。分かりやすい幹線道路沿いに立っていることを知り、出かけてきた。

まだまだ身近なところに立っている火の見櫓で見ていないものがある。火の見櫓めぐりは続く・・・。
 


― 塩尻市広丘郷原の火の見櫓

2018-04-01 | A 火の見櫓っておもしろい


(再) 塩尻市広丘郷原の火の見櫓 4脚〇4型 撮影日180401

 善光寺街道の郷原宿にある火の見櫓。2010年5月以来の再訪。背が高く15メートルくらいはありそうだ(梯子桟の数と間隔によって、見張り台の高さを約12.5メートル、見張り台から屋根頂部までの高さを2.5メートルと推測した)。櫓の上から下まで山形鋼の交叉ブレース、これは松本平では珍しい。梯子は見張り台まで外付け、登り降りは相当怖いだろう。



見張り台には半鐘に替わりサイレンが設置されている。手すりは簡素なつくり。床は鋼板製で、中央に大きな水抜き孔があいている。



消防団詰所の2階からブリッジで火の見櫓と繋いでいる。半鐘はブリッジに立って叩くことができる。これで外付け梯子を登らなくて済む。 

すぐ横に郷原宿の説明板と標柱が設置されている。


 


ブックレビュー 1803

2018-04-01 | A ブックレビュー



 今日から新年度。小中学生のころであれば、ホームルームの教室が変わったり(1階から2階の教室に移動、なんてことがあったり)、クラス替えがあったり(クラス替えがなくても隣の席が好きな女の子になったり)、担任が変わったりと、いろいろ変わったものだが、今では年度が改まってもこのような変化はない。

このブログも特に変えることもなく、今まで通り続行する。で、今回は今まで通り月一のブックレビュー。

松本清張短編全集全11巻を読み始めた。

奥付けの発行年を見ると、2002、3年になっている。復刻版がうれしくてその年に買い求めたのだろう。当時はつまみ読みしかしておらず、未読の作品もある。別の文庫本で読んだ作品もある。月に1巻のペースで読み進むつもりが、既に4巻読んだ。印象に残る作品は表題作の「声」と「張込み」だ。『共犯者』に収録されている「部分」は初めて読んだと思うが、印象に残る作品だった。

奥さんはこの世で一番気に入った顔だと思っていた。母親の顔は奥さんとよく似てはいたが・・・。**部分部分がいちいち卑しげに醜く誇張されているのを見ると、智子の顔までが歪んで見えるのであります。**(42頁)

やがてこの母親が同居することになって、**母親のよし江の醜い顔さえなかったら、私の妻に対する気持ちはまた元どおりに幸福にかえれると思ったのであります。**(47頁)

ある日、入手した歌舞伎の切符を奥さんに渡し、自分は別の用事で出かける。夜帰ると、暗い部屋で寝ている母親の頸を絞めて・・・。その後、駅まで奥さんを迎えにいく。人の群れから現れたのは奥さんではなく、母親だった。

『近代日本一五〇年』山本義隆/岩波新書

**「殖産興業・富国強兵」に始まり「総力戦体制による高度国防国家の建設」をへて「経済成長・国際競争」と語られてきた物語、すなわち大国主義ナショナリズムと結合した科学技術の進歩にもとづく生産力の増強と経済成長の追求という、これまでの近代日本一五〇年の歩みから最終的に決別すべき時がきたのである。**(290頁)

**かつて東アジアの諸国を侵略し、二度の原爆被害を受け、そして福島の事故を起こした国の責任として、軍事産業からの撤退と原子力使用からの脱却を宣言し、将来的な核武装の可能性をはっきりと否定し、経済成長・国際競争にかわる低成長下での民衆の国際連帯を追求し、そのことで世界に貢献する道を選ぶべきなのだ。**(おわりに 292頁)

『鳥!驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』ジェニファー・アッカーマン/講談社ブルーバックス


カバー裏面の本書紹介文


今年度はいままで読んだことのない作家の小説や、あまり興味がない分野の本を読んでみよう、などと思うのは今だけか・・・。