『金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと』金子みすゞ(JULA出版局 1984年第1刷 2003年第75刷)
■ この本には60編の童謡(童心を表現した子どものための詩)が収録されています。私が特に好きなのは「夕顔」です。
空の星が夕顔にさびしかないの、と訊くと、夕顔はさびしかないわ、と答えるのです。星がそれっきり夕顔のことを気にかけないでキラキラ光っていると、夕顔はさびしくなって下をむいてしまうという内容の詩です。**さびしくなった夕顔は、だんだん下をむきました。(99頁)引用した、ここが好きなんです。
「さびしい」という感情に私は共感します。北杜夫の作品に通底しているのもこの感情です。これからは自室に残した北杜夫作品を再読することが多くなるように思います。
初稿(2010.04.19)改編再掲