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『八甲田山死の彷徨』新田次郎(新潮文庫1997年53刷)
■ 新田次郎の小説は何作も読んだが、他の作品は先日の減冊で書棚から消えた。じっくり考えてこの作品を残したわけではないが、まあ、妥当な判断だったと思う。
**日露戦争前夜、厳寒の八甲田山で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。2隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆に描く長編小説。** (カバー裏面の本小説紹介文引用)
この小説の内容から、国によって異なるコロナ禍への対応のことを考える。対応の違いが国民生活や経済の立て直しにどのような影響、どのような違いをもたらすことになるのだろう。今後注視していかなくては。