透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「梟の城」司馬遼太郎

2020-05-27 | H ぼくはこんな本を読んできた

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 『梟の城』(新潮文庫1999年83刷)が一番最初に読んだ司馬遼太郎の作品だった、と記憶している。この小説がおもしろかったのでその後何作も読むことになった。この本に載っている解説で、村松 剛氏も**病みつきのはじめは、この『梟の城』だった。**(512頁)と書いている。ぼくも同じだ。

例によってカバー裏面の作品紹介文を引く。**織田信長によって一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。その相弟子で、忍者の道を捨てて仕官をし、伊賀を売り、重蔵を捕らえることに出世の方途を求める風間五平。戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。**

歴史小説はあまり読まないぼくが『梟の城』を読んだのはこの紹介文に魅かれたからだろうか・・・、今となっては動機は分からない。