透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

7岡谷市長地の火の見櫓

2023-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい


1453 岡谷市長地 4柱44型ロングアーチ脚 2023.03.12

 キレッキレという言葉に倣えば、これはサビッサビの火の見櫓。ひのみくんが紹介してくれたこの火の見櫓を見るのは初めてだった。櫓中間の踊り場まで外付け梯子が掛けられ、そこから上は櫓内に梯子が掛けられている。見張り台の半鐘は大きい。

320
踊り場の半鐘。それにしても櫓がひどい。


ありそうであまりみかけない脚。


 


6岡谷市今井の火の見櫓

2023-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい

 昨日(12日)の午後、岡谷のファミレスでひのみくらぶのカフェミーティングをした。集まったのは火の見櫓大好き少年・ひのみくんファミリーとひのみちゃん、私の5人。火の見櫓のことが記事になっている読売KODOMO新聞をひのみくんにプレゼントした。記事で紹介されていた火の見櫓、大阪の古い火の見櫓を除き全て知っていて、びっくり。

あれこれ火の見櫓について話しをした後、みんなで火の見櫓を見に行くことに。まず行ったのは岡谷市今井にある岡谷市消防団第一分団屯所の横に立っている火の見櫓。私は6年半振りの再訪だった(過去ログ)。


(再)岡谷市今井 4柱44型ブレース囲い 2023.03.12

9日の夜に岡谷市内で火災があったそうで、消火ホースが掛けられていた。ひのみくんに、消火ホースの長さから火の見櫓のおよその高さを知る方法を伝授した。長さ20mの消火ホースが見張り台の手すりの位置に掛けてあること、消火ホースの下から地面まで2mくらいはありそうなこと。見張り台の手すりから屋根のところまでは大抵1.5mくらいだということ。屋根の高さを0.5mくらいだとすると(*1)、火の見櫓の高さはおよそ14mだと分かるでしょ(*2)。




ひのみくんは火の見櫓の細部に興味があると聞いていたので、説明か所を写真に撮って示してから、柱のジョイント部分(写真②)のこと、踊り場や見張り台の床を支える方杖(写真③)のことを説明した。方杖には反ったものも、反対にはらんだものも、直線のものもあることも話した。他にリング式ターンバックルのこと、リベット接合のことなども。

めざせ火の見櫓の博士ちゃん。


*1 遠くから見て、屋根が極端に緩勾配だということが分かっていた。
*2 ざっくりとした高さを知るためには、このくらいの計算で十分だ。立ち木の幹回りを測って円周率で割れば直径が求まる。この時、円周率   を3.14などとする必要は必ずしもなく、3でよい。


消火ホース乾燥塔

2023-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい


消火ホース乾燥塔 3柱無4型ロング三角脚 諏訪大社上社本宮の近く 2023.03.12

 この塔に半鐘が吊り下げられていれば、迷うことなく火の見櫓だと判断できる。この鉄塔は使用後の消火ホースを乾燥させるためのもの。火の見櫓も消火ホース乾燥塔も消防の活動に欠かせないもので、いとこくらいの関係かな。どちらの用途にもこの形で機能するから、判断に迷うことになる。

3柱(鋼管)1構面梯子型に分類されるが、この梯子を登って作業台まで行くのは大変だと思う。もう少し登り降りしやすいような工夫というか配慮ってできないものだろうか。火の見櫓を見るたびに思う。

先日穂高神社近くの火の見櫓をスケッチしていた時(過去ログ)、通りがかったおばさんに声をかけられた。その時の立ち話で、息子さんが消防団員の時、度胸試しでてっぺんの見張り台まで登らされた、と聞いた。本当は火の見櫓がそんなんじゃいけないんだけどなぁ・・・。


 


4茅野市宮川の火の見櫓

2023-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい


(―)茅野市宮川新井 4柱6〇型複合脚(正面ロングアーチ、3面トラス脚)2023.03.12




見張り台の下がやけにごちゃごちゃしている。各構面2分割し交叉ブレースを設置して、4本の柱から2本ずつ方杖を出しているし、他にも何やらあれこれ付いている。


脚部4面ともトラスでも櫓内への出入りには支障ないだろう。だが、正面だけR状の部材を取り付けている。こうした意図は? 正面性の強調を狙ったのだろうか。


 


3諏訪市中洲の火の見櫓

2023-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)諏訪市中洲福島 4柱44型トラス脚 2023.03.12

 この火の見櫓は2016年10月に観ているけれど(過去ログ)、その時は上のような周辺の様子が分かる写真を撮っていなかった。当時なぜ、このような写真を撮らなかったのか。関心が火の見櫓に集中して、周りを見ようとはしなかったのだろう。どのようなところに立っているのか、周辺の様子は基本的な観察ポイントなのに・・・。


屋根の軒のラインが和風。五重塔の屋根が浮かぶ。見張り台の下のスピーカーのなんとにぎやかなことか。


半鐘のすぐ上に消火ホースを掛けるフックがいくつも並んでいる。簡易な手すりが設置され、すのこ状のものは床面か。消火ホースをフックに掛ける作業するときにパタンと倒して作業床にするのかな。そのあたりをきちんと観察しておくべきだった。2016年に見た時には踊り場には注目しなかったようだ。2回目3回目の観察で初めて気がつくこともある。やはり複数回観察しないとだめだな。


消防信号板の上に取り付けられた銘板に昭和31年3月13日竣工と記されていた。この火の見櫓、今日13日が67歳の誕生日。





2諏訪市中洲の火の見櫓

2023-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい


1451  諏訪市中洲下金子 4柱44型複合脚正面トラス脚、3面ブレース囲い 2023.03.12


 櫓のプロポーションも屋根と見張り台の大きさのバランスも良い火の見櫓。






脚部 正面のみ開口を確保するためにトラス脚に、残る3面は交叉ブレースにしている。脚部の写真は屋根・見張り台、踊り場の写真とは撮影方向が違う。


 


1諏訪市中洲の火の見櫓

2023-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい


1450 諏訪市中洲中金子 4柱44型貫通やぐら2023.03.12

 昨日(12日)は終日ヤグ活(茅野のやぐらくらぶの藤田さんの造語、火の見櫓めぐりをするという意味)をした。午前中は中諏訪方面のやぐら巡り、午後はひのみちゃんも参加して諏訪地域在住のひのみファミリーとひのみくらぶオフ会。火の見トークの後、みんなで岡谷市内の火の見巡りをした。楽しく有意義な一日だった。

朝9時過ぎに家を出てまず向かったのは諏訪市中洲中金子の火の見櫓。先日、藤田さんがSNSに載せていたこの火の見櫓をぜひ現地で見たいと思った。信号「中洲小学校」の交差点から西に向かって生活道路(写真①)を1,2分走行してこの場所に10時前に着いた。


緑が多い生活道路沿いに立つ火の見櫓(逆光写真)。


屯所と一体化した火の見櫓




2階建ての屯所(諏訪市消防団第七分団第三部屯所)の屋根上の踊り場まで外付け梯子で登るようになっている。それにしても気になる火の見櫓と屯所の構造的関係。一体どうなっているんだろう・・・。

下屋の屋根の瓦棒の数を数え、間隔を450mmとして計算して、屯所の間口は2間(約3.6m)とみた。このスパンであれば木造で造ることも可能だろうが、1階が鉄骨造、2階が木造の混構造ではないかと思う。木造の屋根上に荷重が2t以上になるであろう火の見櫓を載せることは構造的にまず無理。


道路側のシャッターの小さな開口(写真③)から倉庫内を覗くと、後ろの壁のところにリング式ターンバックルが付いた交叉ブレースが見えた。想像するに、火の見櫓の脚を屯所の屋根近くまで垂直に立ち上げ、2段の垂直構面を構成しているのではないか。それで中間の横架材(水平部材)の高さを屯所2階の床面に合わせているものと推測する。

予め両者を一体的に建設することを決めてきちんと計画されたのだろう。火の見櫓と屯所の地震時の挙動の違いについてはそれほど気にする必要はない、と判断されたのだろう。屯所の内部を見たい。写真⑥を見ると柱とブレースが屋根を貫通していることが分かる。


スピーカー櫓と化している。写真⑦では判然としないが半鐘も吊り下げられている。屋根のてっぺんに避雷針が付いていない。建設当初は付いていた、と思われる。屋根の4隅にはちゃんと蕨手が付いている。


踊り場にも半鐘を吊り下げてある。消火ホースを掛けるフックも取り付けてある。外付け梯子から踊り場内へ入る開口上部にアーチ形の部材を付けている。これがあると、出入口という感じ、出入口感がでる。平鋼をひねって、梯子と櫓の横架材とを繋いである。


梯子の振れ留めを設置してある。

興味深い火の見櫓がまだまだ何基もありそうだ。火の見櫓の世界に出口なし。