■ 既に書いた通り、本をかなり処分した結果、1,400冊あった文庫本が250冊になった。文庫本の大半は文系本を並べた書棚の上にすっきり収まり、カオスな状態が解消された。
減冊を機に「ぼくはこんな本を読んできた」というカテゴリーを設け、残した文庫本をピックアップして掲載している。今回は『ジュラシック・パーク』マイクル・クライトン(ハヤカワ文庫 上巻:1993年20刷 下巻:1993年19刷)。
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マイクル・クライトンは科学知識を駆使して実におもしろい作品を書いた。ぼくもクライトンの作品が好きで何作か読んだ(過去ログ)。
文庫本を残しておくとすれはやはりこの作品だろう。
琥珀に閉じ込められた昆虫の体内に残っている血液から抽出したDNAをスーパーコンピューターで解析して複雑な作業を経て恐竜をよみがえらせる。恐竜たちが生息する「ジュラシック・パーク」はコンピュータで完全にコントロールされていて安全なはず。だがシステムがトラブルを起こし、恐竜たちが人間に襲いかかり、大パニックに。
クライトンは作品の中で科学技術の危うい負の側面を示し、警告を発してきたが2008年に66歳で亡くなってしまった。現代社会に欠かせない作家だった、と思う。