透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

新〝地産地消〟の試み

2008-10-26 | A あれこれ

「日曜フォーラム」  NHK教育テレビの番組の今日(26日)のテーマは「地産地消」でした。大阪で行われた「新〝地産地消〟の試み 安全な食と豊かな環境を求めて」というパネルディスカッションの様子が放送されました。この番組を見て改めて「地産地消」について考えました。

要するに日本の食の供給事情って生産者と消費者の「距離」があまりに遠い、そこが問題だということですね。

もちろん地理的な距離が遠いということもあります。スーパーに並んでいる食品の生産地を見ると例えば魚には北欧の国名が印されていたりしますから。

そして流通経路がよく分からないということも「距離」が遠いと捉えていいと思います。一体どこでつくられて、それがどのような流通経路を経て消費者である自分のところに届いているのか、分からない食品が多いのです。中国餃子などは仮にトラブルが起こらなければ、どんなところでつくられているのか、全く知らないままだったと思います。もっとも、未だにその流通経路がよく分からない「遠い食品」ですが。

地産地消って、地域で生産したものをその地域で消費するという意味なんでしょうが、新〝地産地消〟では、地理的な距離を近くするということはひとまず置いておいて、まず生産者と消費者を直接繋げようということ考えてもいいのではないかと思います。流通経路のブラックスボックスを可視化し、シンプルにするということをです。

具体的には東京に暮す消費者Aさんが長野の生産者Bさんと直接契約して果物や野菜を購入するというシステムです。既に実践されていることではありますが、このシステムをもっと広めてもいいのではないかと思います。

更に消費者の求めに応じて生産者が生産するというシステムにまで進めてもいいのではないか、生産者と消費者とが共同して食の供給システムを構築するという提言がありました。フランスで既にこのシステムを実践しているところがあるようで、番組の中で紹介されました。まあ、食の自給システムが崩壊寸前の日本ではかなり難しいことでしょうが。

「食料自衛」という言葉をパネラーの発言で聞きました。安全安心な食の確保について自衛しなくてはならない時代の到来。それはそう遠くないのではないか、私達の次の世代にはそうなってしまうのではないか、と心配です。

この不安を紛らすためにこれからビールでも飲みましょう。ところで、この缶ビールの原材料の生産地は一体どこなんでしょうか・・・。


 


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