○ 茅野の妻垂れ(0608)
○ 韓国の妻垂れ (0106)
妻垂れは切妻屋根の民家の妻壁を雨から保護するもので、昔は板張りだったが、最近では金属サイディングや樹脂製の小波板でも作られている。
藤森さんの建築について書いた際、茅野市内で見つけた妻垂れの写真を載せた(上の写真)。下の写真はソウル近郊の韓国民俗村で見かけた妻垂れ。「韓国にも妻垂れがある!」と、写真を撮った。もしかしたら日本国内で散見される妻垂れのルーツは韓国かもしれない。中国にも妻垂れがあるかもしれないな。
そういえば日本の茶室もルーツは韓国だと聞いたことがあるし、壁や天井に韓国紙を貼った小さな部屋や、にじり口を思わせる小さな出入口など、韓国の民家を紹介するテレビ番組をみたこともある。建築技術の多くは中国や韓国から伝わってきたものだ。
ところで先日書店で『藤森流自然素材の使い方』彰国社 という本を手にとってパラパラと頁をめくっていた。この本は藤森さんの作品をいくつかとりあげて、自然素材をどんな考えでどの様に使っているか、ということについて書かれたものだが、例の「神長官守矢史料館」の板張りの外壁に関する記述があって私の予想通り(!)、妻垂れを意識した意匠であることが分かった。そう、藤森さんはやはり妻垂れを史料館の外壁にまとわせたかったのだ。
本に掲載されている妻垂れの写真は、私が撮った民家の妻垂れ(上の写真)と同じもののような気がした。史料館のすぐ近くの民家だから、大いにあり得る。