透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 消防信号

2010-05-18 | A 火の見櫓っておもしろい

 
010 

朝日村役場脇の火の見櫓に取り付けられている消防信号

 消防信号等に関する規則(←参照)の第4条に「消防信号は、別表に定める区分及び方法に従い発しなければならない。」と規定されています。その別表に基づいてつくられた消防信号表が火の見櫓に取り付けられています。ただし、防災無線の普及にともない半鐘を打ち鳴らすことがなくなって、半鐘が取り外され、消防信号表も無いことも珍しくありません。

火の見櫓そのものだけでなく、それに関係する事柄も観察対象にすると、この世界は広がります。あまり広げるつもりはありませんが、時にはいいかなと思い今回は消防信号表を取り上げました。

私も昔近くの火の見櫓に登って火災警報発令信号(表の左から3番目)を打ったことがあります。

しばらく続けてきた10文字タイトルは終わりにしました。 


 


文庫は新潮、新書は中公

2010-05-18 | A 読書日記



 私が購入する本の傾向ははっきりしている。文庫は新潮、新書は中公。この逆、文庫が中公で、新書が新潮ということはない。このブログでブックレビューをしてみてもこの傾向がはっきり出ていると思う。

どうも新書モードが小説モードにならない。書店で平積みされている新刊でもあまり読みたいと思う小説がない。村上春樹の例の本も未読だ。文庫のコーナーでも新潮文庫の棚をざっと見るだけだ。

自然と足は新書のコーナーに向く。そこで中公新書、ちくま新書、集英社新書を手にすることが多い。なぜか、新潮新書はほとんど手にしない。文庫は新潮なのに・・・。講談社現代新書も昔はよく読んだが、カバーデザインが変わってからはあまり手にしなくなった。

先日買い求めたのがこの本、『フォト・リテラシー 報道写真と読む倫理』今橋映子。読了後にこの本について何か書こう・・・。


修正:2023.07.15


012 にわか火の見櫓熱中人

2010-05-18 | A 火の見櫓っておもしろい


012

後方に常念岳が見える。


路上観察 またまた火の見櫓 松本市里山辺惣社にて 100516

 にわかに「火の見櫓熱中人」と化してしまった。今回も火の見櫓を取り上げる。前稿で取り上げた松本市入山辺の火の見櫓の屋根は8角錘だったが、これはなんと12角錘。これ以上の多角錘屋根ってあるだろうか、円錐になるんじゃ・・・。

見張り台から上の部分が実に美しい(写真下)。

なぜ美しいのか・・・。まず各部分の寸法バランスの良さを挙げる。それから少し内側に傾きを増した柱、緩勾配屋根、、シンプルな手すり、屋根下が半鐘以外何もなくてすっきりしていることなどを挙げることができるだろう。見張り台は6角形。ガセットプレートの形をすっきり整えれば、もう最高だった。

なかなか美的センスの優れた人の手によるものと見た。

次稿は本を取り上げるつもり。


 


011 新録に映える火の見櫓

2010-05-16 | A 火の見櫓っておもしろい

  
011


路上観察 火の見櫓 松本市入山辺(旧入山辺村役場前)にて 100516

①屋根の形状と飾り:八角錐(急勾配) 頂部に避雷針 半鐘無し

②見張り台の形状と手すり、その他:六角形 等辺山形鋼の手すり 丸鋼の手すり子 装飾無し

③主要構造部の平面形、材質、部材の接合方法:三角形、部材は等辺山形鋼。リベット、ボルト、溶接併用。4段のブレースは丸鋼、端部を曲げてガセットプレートを貫通させてボルト止めしている。リング式ターンバックル。柱脚の等辺山形鋼を曲げ加工したアーチ、カーブが美しい。

④梯子:厚手のフラットバーに丸鋼のステップ。

⑤基礎の形状、その他:三角形のコンクリート塊状基礎。


⑥周囲の状況、その他:中間に三角形の踊り場。後方の新緑が眩しい。



火の見櫓の近くから残雪の北アルプスを望む。 


 


010 繰り返しの美学な梯子

2010-05-16 | A 火の見櫓っておもしろい

 
010 東筑摩郡朝日村小野沢 後方は昭和11年竣工の朝日村役場




路上観察 またまた火の見櫓 朝日村にて 2010.05.15

 ブログに「繰り返しの美学」、「火の見櫓っておもしろい」、「ブックレビュー」というカテゴリーを設けました。

「ブックレビュー」 ぼくはこんな本を読んできたという備忘録として。

「火の見櫓っておもしろい」 火の見櫓のデザインが思いのほか多様なこと、デザインに地域性がありそうなこと、ランドマークとしてもみることができることなど、なかなかおもしろそうなのでその観察記録として。

「繰り返しの美学」 繰り返しには美が宿る。事例を繰り返し取り上げて示していこうと。

で、今回は火の見櫓の繰り返しの美学な梯子を載せます。2本の丸鋼のステップに縄を巻いて登り降りしやすくしています。

シンプルで美しい火の見櫓です。 


 


路上観察 レアな道祖神

2010-05-15 | B 石神・石仏

路上観察 朝日村の道祖神 高さ45cm  100515

道祖神は「どうろくじん」ともいわれていたそうで、この文字碑にも「道録神」と彫ってある。「録」を使ったものはこの地方には少ないとのことだ(私は初めて見た)。

宝暦十三癸未年の刻字がある。江戸中期、1763年の造立だ。この道祖神は松塩筑(松本、塩尻、東筑摩郡)地方で最も古いものとされている(*1)。

道祖神には像を彫ったものと文字を彫ったものとがあるが、朝日村に31体ある道祖神で文字碑は2体のみ。これはレアな道祖神ということになる。



*1「信州朝日村の道祖神」 朝日村教育委員会編集 1986年発行 による。


009 小学校前庭の火の見櫓

2010-05-15 | A 火の見櫓っておもしろい

  
009

山形小学校にて 路上観察ではなくて、正門から少し校内に入って観察した。 100504

①屋根の形状と飾り:四角錘。四隅にカールされたひげ。カールひげと呼応する頂部の飾りのデザインがエレガント。オーニングに付いているような「ひらひら」状の飾り。

②見張り台の形状と手すり、その他:四角形、隅切り。手すりは等辺山形鋼。手すり子は屋根頂部の飾りと同様のデザイン。半鐘は無い(火の見櫓として使っていないのだから当然か)。

③主要構造部の平面形、材質、部材の接合方法:四角形、部材は等辺山形鋼。ブレースは丸鋼。リング式ターンバックル。

④梯子:肉厚のフラットバーと丸鋼

⑤基礎の形状、その他:塊状コンクリート基礎、深さは不明。

⑥敷地及び周囲の状況、その他:小学校の前庭に設置されていた。現役を引退した火の見櫓を処分するのがもったいなかった? 使途不明。これとよく似た現役の火の見櫓を見かけている。そちらを観察しなくては・・・。


 追記:昭和30年に山形村役場前に建設された火の見櫓を残した。


ぼたん寺で雅楽を聴く

2010-05-13 | A あれこれ
 
雅楽演奏会のチラシと石仏

■ 松本の浅間温泉の近くに玄向寺という浄土宗のお寺があります。ぼたんの寺としてよく知られています。

先日このお寺の本堂で雅楽の演奏会があり、知人に誘われて聴きに行きました。雅楽・・・。全く縁の無い世界で、辛うじて笙、しちりき(たて笛)、龍笛(よこ笛)という管楽器の名前を挙げることができるくらいですが、どんな曲が演奏されるのか興味があったのです。

「平調越殿楽」「壱越調蘭陵王」などと演奏曲目を挙げても、どうでしょう、あの曲かと分かる方は少ないのでは。私は全く知りません。

演奏の合間の説明では雅楽は世界各地に源をたどることが出来るそうです。ベトナムあたりから伝わったといわれている曲も演奏されました。

雅楽というと、なんというか、平安の貴族が散りゆく桜でも眺めながら、そして酒を酌み交わしながらゆったりと聴いていた、というような優雅なイメージが私にはあります。

上のチラシに「かっこ」(名前を知りませんでした)という打楽器、打物が配されていますが、この楽器の「ぽん」と「ぱん」の中間くらいの音が笙の繊細な音色によく合っていて、よかったです(平凡な感想ですが)。

今月15日の午後には松本城本丸庭園でも公演があるそうです。入場料だけで、鑑賞無料とのことです。




008 まずよく観察すること

2010-05-12 | A 火の見櫓っておもしろい

  
008 路上観察しなかった火の見櫓 下諏訪町にて 100508

下諏訪町近くで見かけたビルの屋上に立つ大きな火の見櫓。この日は諏訪大社下社の御柱、里曳きの日で朝早く電車で出かけた。火の見櫓をよく観察しなかったので、チェックポイントに挙げてある構成部材、ジョイント方法など不明。

写真を撮る前に対象をよく観ないと後で何を撮りたかったのかよく分からない写真、知りたいことがはっきり写っていない写真が残るだけだ。反省。


 追記:この火の見櫓は撤去され現存しない。


路上観察今回は道祖神

2010-05-12 | B 石神・石仏

路上観察 道祖神 松本市今井にて 100509

 前稿で取り上げた火の見櫓のすぐ近くにこの道祖神がありました。高さ約80cm。縦長の石、なかなかいい形だと思います。

蓮の花に乗っているのでしょうか。だとすれば、仏教的な意味合いが含まれているのかもしれません。ウィキペディアには**道祖神は、古代から近世に至るまで 時代によって様々な信仰、宗教と融合する。**とありますから。

磨耗していて顔の表情は分かりませんが、仲睦まじい年配の(でもないかな)、庶民的な男女神に見えます。造立年は不明です。この道祖神には裏面に文字の彫りこみがありませんでしたから。

 路上観察の対象は現代建築をはじめ民家(町屋、洋館などを含む)、建築に棲む生き物、火の見櫓、繰り返しの美学、そして道祖神などいくつもあります。街歩きが楽しいというか、忙しいというか・・・。



― 消火ホース乾燥塔 これは登るのが怖そう 

2010-05-11 | A 火の見櫓っておもしろい

 
これは火の見櫓ではない 松本市今井


路上観察 消火ホース乾燥塔 100509

①屋根の形状と飾り:四角錐ただし「そり」がある。 底面は長方形  

②見張り台の形状と手すり、その他:長方形 手すり子は丸鋼 半鐘無し サイレン有り。 見張り台に登ると揺れないのかな。

③主要構造部の平面形、材質、部材の接合方法:1本柱 角型鋼管 200×200

④梯子:ステップ ボルト溶接止め。端部にナットを溶接止めしてある。

⑤基礎の形状、その他:コンクリート製塊状基礎。

⑥敷地及び周囲の状況、その他:1本柱の火の見、いやこれは消火ホース乾燥柱。これは「おっかなくて」登れない。


 


昆虫の微小脳は凄い!

2010-05-10 | A 読書日記

■ 『昆虫―驚異の微小脳』 水波 誠/中公新書 をようやく読み終えた。

ミツバチには対称図形と非対称図形を区別するだけでなく、それを一般化する能力があるという。昆虫は視覚的な情報をどのように受容し、どのように処理しているか。

ゴキブリにはゴールの周囲の景色を記憶する能力があるという。このことを確認する実験装置が本書に紹介されている。あることを証明するのに、一体どのような実験をすればいいのか・・・。

ミツバチの8の字ダンスと円形ダンスによる情報伝達。ミツバチは餌場の方向と距離をどのように測るのか、ふたつのダンスの意味の違いを知るにはどのような実験をすればいいのか。



ヒマワリの一種の花の花弁をすべてもぎ取って逆向きに差し込む。こうして花の紫外線吸収領域を外側に向ける。するとこの花に着陸したミツバチは一体どのような行動をするか・・・。花のデザインにも意味がある!

優れた研究者は「なるほど!」な装置を考え、精緻な実験をしている。

最終章「微小脳と巨大脳」を著者は**ヒトの大きな脳と昆虫の微小脳はそれぞれ異なる生き方を実現するために設計されたものであり、どちらが優れているとは簡単には言い切れないのである。**と締めくくる。

昆虫に関する最先端の研究の紹介、解説。一般読者には、というか私の理解力では難解な部分も多々あったが、大変興味深い内容だった。


路上観察といえば民家

2010-05-09 | A あれこれ



 路上観察 諏訪の蔵 100508

下諏訪駅から諏訪大社下社に向かう途中で見かけた蔵。火の見櫓の路上観察を始めちまったが、民家も忘れちゃならねェ~。

屋根が今では珍しい鉄平石の菱葺きということと、破風板が交叉してX印になっていることに注目した。鉄平石を使った屋根の棟納めや破風と鼻かくしとの取り合いなども本来の姿を留めている。

ずっと継承して欲しいこの地方の蔵づくりの技と意匠。


007 火の見観察はまだ続く

2010-05-08 | A 火の見櫓っておもしろい


007 山形村 唐沢




路上観察 火の見櫓 山形村唐沢にて 100508

①屋根の形状と飾り:切妻屋根 鐘用。柱に付けた平鋼から等辺山形鋼を持ち出して、への字形に加工した鋼板を取り付けている。菱形の棟端飾り。

②見張り台の形状と手すり、その他:無し。

③主要構造部の平面形、材質、部材の接合方法:1本柱、部材は亜鉛メッキ鋼管。

④梯子:棒鋼を付けたバンド、ボルト止め。

⑤基礎の形状、その他:基礎は地表面に露出していない。無い可能性大。

⑥敷地及び周囲の状況、その他:1本脚(既製品)の火の見。これ以上シンプルなものってあるだろうか。あるかもしれないが思いつかない。蕎麦で知られる唐沢集落の先の私有地にある。どんな音がするんだろう・・・。


 


岡本太郎大絶賛の石仏

2010-05-08 | A あれこれ




■ 岡本太郎が絶賛したという万治の石仏。大きな自然石にちょこんと小さな頭部を載せた特異な造形。諏訪大社下社春宮のすぐ近くあると分かって(春宮から徒歩で5分くらい)、今日初めて行ってきました。

昨年か一昨年、この石仏の首が伸びる! とテレビで話題になりましたね。


 

万治の石仏の伝説に出てくる諏訪大社下社春宮の鳥居