■ 休日。今日は部屋にこもって読書しようと、書棚から取り出したのが『路上探検隊 奥の細道をゆく』。 路上観察学会の会員が山形県まで出かけていって採集した「あれこれ」を収録した本。91年に読んでいる。
表紙の写真は赤瀬川原平さんが採集した「ポストになりたい狸」。赤瀬川さんはこの狸をポストに化けたつもりなんだろうと見る。そして、もしかして赤いポストはちゃんと化けたお母さん狸ではないか、と見る。この想像力ってすごい、やはり作家だ。
パラパラとページをめくっていって、「なぜ山形の火の見櫓はコンクリート製なのか」という見出しが目に入った。藤森照信さんの記事だ。藤森さんも全国の火の見櫓に注目してきたという。本文に**戦前のものは見かけるとタクシーを停めてでも写真をとるようにしてきた。**とある。
その藤森さんがコンクリート製の火の見櫓をみつけた。鶴岡市内で路上観察したコンクリート製の火の見櫓の写真が載っている。
**だいたい火の見というのは全国どこでも木造から鉄骨造へとダイレクトに進化するのがふつうで、コンクリート造という脇道を経過すること自体が異例なのである。**とする藤森さん。
なぜコンクリート製なのか、その理由については名探偵も分からない・・・。