透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

週末のサードプレイスにて

2015-05-23 | A あれこれ

 昨日(22日)、仕事を定時に切り上げて梓川のカフェ バロへ。カウンター席に並んだのは私の隣に名刺9枚目のMさん、そして44枚目のKさん。

Kさんは多趣味な人で椅子を蒐集しているし、カメラ好きだし、トレランやハンティング!もしている。野生動物を追いかけたり、仕留めた動物の肉を食したり・・・。彼は実にワイルドだろ~な日々を送っている。

私には全く無縁な趣味のことで盛り上がった。話にクマも出て来たので、学生の時にヒグマが多く棲息している知床半島を羅臼から半島の先端、知床岬まで縦走したことを話した。屋久島で宮之浦岳に登ったことも話したが、まあ、私のワイルドな日々といえばその程度で、最近すっかり草食動物と化している。だが、Mさんがシカの肉を試食してみたいと言い出して・・・。

Mさんから旅行先で撮った狛犬の写真を見せてもらった。 太い格子の奥に木製の迫力のあるリアルな阿形の獅子が居た。股間にはオスのシンボル、でもセクハラ話は×。

至極当然のことだが、居合せた人によって話題が全く違う。

先週はFさんが上高地ではニリンソウが見ごろ、という話をした。Fさんは「ノンセクションの50 ←説明不要ですよね」を選んでも正解できる博識な方で植物にも詳しい。私はニリンソウと聞いて川中美幸の歌を思い出してしまった。ハイハイ、あたしゃ俗な人間なんです。

カウンターのYさんから「もっけい」という言葉を聞いた私は「何ですか、それ?」ともっけ顔。昨日も無知を曝けてしまった・・・。「木鶏」、荘子の言葉、知らなかった・・・。

どんな話題にもカウンターの内側のふたりはきっちり入り込むことができる。さすがと言う他ない。


 


諏訪大社下社秋宮の狛犬

2015-05-21 | C 狛犬



 しばらく前、Kさんとカフェトークした際、趣味は写真を撮ることだと聞いた。

昨日Kさんからポストカードにしたこの写真をもらった。上の写真は諏訪大社下社秋宮の神楽殿(国の重要文化財)をきっちり真正面から撮っている。こういうアングルは私も好きだ。

下の写真を見ると神楽殿の前の狛犬を意識していることが分かる。 Kさん、もしかして狛女? 最近狛犬のディープな世界に入り込んだことを私が話したが、その時、以前この写真を撮っていたことを思い出した、ということだろう。


 


諏訪松尾神社の道祖神

2015-05-20 | B 石神・石仏


安曇野市豊科の諏訪松尾神社の境内に祀られている道祖神  

■ 抱肩握手像と呼ばれる道祖神で、高さ約1m、巾約80cmの自然石に彫り込んである。像を囲むように大きく建立年が彫ってある。明治三庚午年 二月三吉日と読んだ。

摩耗していて顔の表情は分からないが、温和な表情がイメージされる。



裏面には帯代五拾両と彫ってあるが、これはかなりの高額では・・・。ちなみに朝日村西洗馬の抱肩握手像の帯代は五両(下)。 

    


 


545 高山村なかひら地区の火の見櫓

2015-05-20 | A 火の見櫓っておもしろい


545

 「高山村なかひら地区の火の見櫓」というタイトルにはしたが、これは消火ホース乾燥塔に半鐘を付加したもの、と解した方がよさそうだ。が、その半鐘も既に無く、切妻の小屋根が残るのみ。消火ホース乾燥塔か火の見櫓か、これは認識論。→過去ログ

総じて高山村の火の見櫓はよくメンテナンスされているという印象だが、この乾燥塔はだいぶ錆びているし、脚部は曲っているし、のぶさん指摘の通り、何だか存在すら忘れられているという感じ。

櫓の造形はなかなか味わい深い。かなり細く絞り込んだ櫓の上部も横架材で3本の柱材を繋ぎ、ブレースを入れている。ブレースは東北信の一般的なタイプ、櫓の下部はリング式ターンバックル付きで上部は平鋼(または山形鋼)。

そして頂部には飾りも付けてある。腕木の先端に消火ホースを引き上げるときに使う滑車をちょこんと付けてあるが、これが可愛い。

滑車のすぐ下にホースを掛けるフックがいくつか付けてある。消防団員は梯子でここまで登ってホースを掛けるのだが、きちんとした足場もなく、作業はなかなか大変ではないかと思う。


 


544 これは・・・

2015-05-19 | A 火の見櫓っておもしろい


544

 高山村中山地区で見かけたこれは・・・。

すぐ近くに消火ホースの格納箱も設置してあり、この軒下に吊るした鐘はやはり半鐘、ということでしょうか・・・。木槌も吊り下げてあるので、あるいは今でも叩くことがあるのかもしれません。

ここで思い出すのが下の板木。地区の集会場の玄関脇に吊り下げてあって、集会の招集をするときに叩くというもの。左は朝日村の古見地区で以前見かけた板木ですが、同様のものを隣村の山形でも見かけたことがあります(右)。

  

で、高山村の集会場と思しき建物に吊り下げてある鐘ももしかしたら、同じ用途で使われているのかもしれません。でも、火災の発生を知らせる半鐘と同じ音色で、区別がつかないでしょう。

やはりこれは半鐘ではないかと・・・。とりあえずこのように判断しておきますが、再訪する時に地元の方に訊ねて確認したいと思います。


 


543 高山村荒井原の火の見櫓

2015-05-18 | A 火の見櫓っておもしろい



 高山村を流れる松川の右岸に形成されている集落。茅葺き屋根をカラー鋼板で包んでいる民家がかなり多い。茅葺きだった頃はブルーノ・タウトではないが、泣きたくなるほど美しかっただろう。40年前に訪ねたかった・・・。



543 撮影日150510

 高山村で赤地に白文字で「火の用心」と一文字ごとに書いたパネルを取り付けた火の見櫓を何基か見かけた。この火の見櫓にも取り付けてある。



4角形の櫓にやはり4角形の屋根、円形の見張り台(ともに平面形)、東北信でよく見かけるタイプ。避雷針の細い飾りとやはり細い蕨手が繊細な印象を与えている。



櫓の中間に「カンガルーポケット」な踊り場。機能的にはこれで十分。




 


上高地のニリンソウ

2015-05-18 | A あれこれ



初夏のフォトアルバム  ニリンソウ 上高地横尾にて 


上高地ではこの季節ニリンソウの可憐な白い花が登山者の目を楽しませている。

この白い花、花弁かと思いきや萼(がく)弁だという。

自然はいろいろ工夫して造形しているんだな~。 





善光寺 大香炉の獅子

2015-05-17 | C 狛犬




大香炉の上に蹲踞の姿勢でいる獅子 撮影日150517

 狛犬(獅子・狛犬)といえば神社の守護獣というイメージだが、もともとは仏教と密接な関係にあり、日本には仏教と共に伝わってきたという。

先ごろ読んだ『狛犬誕生 神獣のルーツをたどる』塩見一仁/澪標 でこのことに関する記述を引用してみる。
**仏典に登場した「獅子座」は、こうして仏像誕生と同時にブッダの坐す台座として造形され、やがてシルクロードを通じて、ライオンの生息しない東方や南方の地へも、仏教とともに伝わることになっていった。**(68頁)

**(前略)マトゥラーやガンダーラにおいてブッダの坐す台座に造形された獅子が、シルクロードを通じて敦煌に伝わり、台座から離れて独立した守護獣となったことである。**(82頁)

善光寺のこの獅子も仏教と獅子が密接な関係にあることを示す証左であろう。



 


回向柱巡り

2015-05-17 | A あれこれ

 善光寺周辺の回向柱のある寺院を巡ってきました。新聞記事に紹介されていた11の寺院の内、10の寺院を巡ってきました。

善光寺より北にある往生寺だけはあきらめました。以下、JR長野駅から善光寺に向かって順番に写真を載せます。

この記事を閲覧していただいた方に御利益があるかもしれません。


1 西光寺


2 往生院


3 西方寺


4 玄証院


5 徳行坊


6 世尊院


7 福生院


8 薬王院


9 大勧進


10 善光寺

今日は晴天で善光寺では多くの参拝者が回向柱まで長蛇の列をつくっていました。


 


週末のサードプレイス・カフェ バロ

2015-05-17 | A あれこれ

■ 週末、金曜日のバロは4月10日以来。このところ金曜日は何かと用事があって出かけることができなかった。久しぶりに顔なじみのMさん、Fさんと3人でカウンターに並んで座り、カウンターの中のカクさんとYさんと5人で雑談。

店内に松本城の解説本(松本市内の小学6年生のサブテキスト)が置いてあったので、パラパラと頁をめくっていると、松本城の構造を説明したイラストが目に入った。

天守は16本の太い柱(確か直径40センチメートル)で支えられているのだそうだ。この部分は石垣でかくれているから全く見ることができない。ネット検索してみると、柱は鉄筋コンクリート造で、昭和の大修理の際に設けられたようだ。知らなかった。松本城はオール木造だと思っていたが、天守を支える鉄筋コンクリート造の柱が使われているなんて・・・。

そしてお城つながりということで、Mさんが「そういえば泉鏡花に『天守物語』という戯曲があります」と教えてくれた。彼女は鏡花の作品を何作か読んでいるそうだ。泉鏡花は教科書にも載っている作家だから名前は知ってはいるが作品は全く読んだことがない。何か読んでみよう。

バロに集まる人たちは物知りだ。自分がよく知らない領域というか、分野のことについて知識を得ることは有意義だと思うし、楽しい。


 


542 高山村千本松の火の見櫓

2015-05-16 | A 火の見櫓っておもしろい


542 高山村高井千本松にて 撮影日150510

 須坂市から高山村に入って最初に出会った火の見櫓です。櫓のてっぺんがごちゃごちゃしているな、と遠くから見て思いましたが、近づいてみると・・・。



よく見ないと見張り台がどうなっているのか分かりません・・・。この写真のアングルも良くなかったです。柱が3本ありますが、その内の2本が前後重なってしまっています。やはりじっくり観察して、構成を理解してから撮らないとダメです。

手前の2本の柱に腕木を掛けて小屋根を載せ、半鐘を吊り下げています。見張り台がおもしろい形をしています。円形をスパッと切って、広げて梯子を通すスペースを確保している、と把握すればいいのでしょうかね。半鐘の下にパンチングメタル(材質はたぶんステンレス)を加工した籠というか箱を付けてありますが、一体なんでしょうか。遠隔操作で打鐘する装置?



消防信号板の下に銘板が設置してありました。建設年は昭和41年4月と分かります。なんともユニークな形の火の見櫓です。


 


541 須坂市日滝本郷の火の見櫓

2015-05-13 | A 火の見櫓っておもしろい


541  須坂市日滝本郷にて 撮影日150510

 この火の見櫓も高山村に向かっている途中で見かけた。具体的に表現できないが、櫓のプロポーションが例えば中信地区で目にする火の見櫓とは違うような気がする。細身ということだろう。



和傘のような屋根。ブレースに使っているリングのサイズが大きいと思う。ガセットプレートも目立つ。櫓の見た目の印象にも影響しているだろう。





脚部。正面のみアーチ状に処理して他の面にはブレースを設置している。繰り返し何回も書いているが、この構成だと、櫓を支える脚という情報というかイメージが伝わりにくい。機能が形を規定する、やはり機能に相応しい形というものがあるような気がする。


偶然にも安曇野のヤグラー、のぶさんも最新稿でこの火の見櫓を取り上げていた。