■ 北安曇郡池田町会染の宇佐八幡宮の境内に道祖神や青面金剛像などの石神、石仏が9基祀られている。左端は二十三夜塔。
月が信仰の対象の二十三夜講(集落内の「講」という組織のひとつ)は昭和になって次第に減ってきて、今では皆無。
整った形の自然石の右側面に建立年が彫ってある。寛正?いやこれは寛政。政という漢字の偏と旁を縦に分けて彫っている。 以前もこのような表記を目にしたことがあった。
「寛政十一己未卯月立日」 ネットで調べると確かに寛政11年(1799年)の干支は己未(つちのと ひつじ)。
十六夜月、立ち待ち月、居待ち月、寝待ち月、更け待ち月、二十日余りの月、そして二十三夜月。二十三夜月はかなり細い下弦の月。月出は23時近く。
講では当番の家で月出を拝んでから二十三夜の本尊である勢至菩薩の掛軸の前で念仏を唱えてから、酒を飲み、談じて夜を徹したそうだ。
講に宗教的な意味合いはあまり無く、集落内の親睦会だったのだろう。