透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

黒部ダムカレー4

2015-08-21 | F ダムカレー



 所用で大町へ。で、黒部ダムカレー。

黒部ダムカレーを提供する店舗は約20軒あるけれど、今回はカイザーへ出向いた。

黒部ダムカレーを注文すると、お店の人に量が多いです、ミニダムカレーもありますと言われた。席に着いてメニューカードをみると黒部ダムカレーはごはんの量が1合半とある。これは3膳分だから、かなり多い。普段昼食のごはんの量を少なくしているので、ミニダムカレーを注文した。

これがミニダムカレー。ミニでもごはんの量は1合。ボリュームに対して皿が小さい。直径を測ると23cmだった。

黒部ダムの遊覧船・ガルベに見立てたトッピングは珍しい鹿肉のメンチカツ。カツがカレールーを覆い尽くしていて、メンチカツ定食に見える。みそ汁付きだから尚更だ。

こくのあるカレーでなかなか美味だった。


次はどこに行こうかな・・・。


「神の鑿」

2015-08-18 | A 読書日記


『神の鑿』 たくきよしみつ 

 先日読んだ『狛犬かがみ』と著者は同じ。この本は狛犬研究家・のぶさんからいただいた。

小松利平(理兵衛布弘)、小松寅吉、小林和平。江戸末期から昭和まで3代続いた石工が南福島に残した狛犬の数々を彼らの人生ドラマと共に紹介している。 この本に取り上げられている3人の独創的な作品はただただ凄いとしか言いようがない。「神の鑿」という書名は決して大袈裟ではない。

巻末に取り上げた狛犬の所在地がリストアップされている。これはもう出かけるしかない。出かけて、この目で直接作品を観なくては・・・。



アナログ人間はやはり地図を頼りにする。福島県の地図で白河市、棚倉町、鮫川村、泉崎村、中島村、浅川町、石川町、古殿町、矢吹町、玉川村、平田村、須賀川市、これらの市町村の位置を確認した。

福島は学生の頃に喜多方に蔵を見に出かけた他は行ったことがない。出かけるのは来年の春か秋かな・・・。


のぶさん、貴重な本をありがとうございました。

 


「ミッション:インポッシブル」

2015-08-15 | E 週末には映画を観よう

 トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」を観た。チラシには「絶対不可能に挑め。」 「成功率0%」とある。 

インポッシブルなミッションに挑むIMFの男たち。トム・クルーズが空中で水中でそして地上でする命懸けの凄いアクション。観る者はハラハラドキドキ。

このシリーズを観るのは初めて。で、IMFと字幕で見て、一瞬、何?国際通貨基金? いや違うとすぐに分かったけれど。 

多国籍スパイ組織「シンジケート」を壊滅させるというミッション。謎多きスパイ組織との死闘、敵のスパイの美女、007に似ていなくもないかな。

この女スパイのイルサは敵なのか味方なのか・・・、もちろん敵。でも徐々にトム・クルーズの男の魅力に惹かれていくという、スパイ映画お決まりのパターン。

先日観た「ジュラシック・ワールド」はどちらかと言うと子ども向けの映画。で、この「ミッション:インポッシブル」は大人の映画。

体を鍛えなきゃなぁ~。いや、無理、無理!


IMF: Impossible Mission Force   International Monetary Fund

 


ツユクサ

2015-08-15 | A あれこれ


夏のフォトアルバム  ツユクサ 撮影日150815

立秋が過ぎて、朝晩は過ごしやすくなってきた。
夜になると虫たちが合奏を始める。

近所の草地にツユクサが咲いている。
花のデザインは実に多様だが、この花のかたちもなかなかユニークだ。


 


「狛犬かがみ」

2015-08-15 | A 読書日記



■ 『狛犬かがみ A Complete Guide to Komainu』 たくきよしみつ/Banana Books を読んだ。狛犬のカラー写真満載で地の文章が少ないから読むのにそれほど時間はかからない。この本の章立ては以下の通り。

第1章 狛犬ほどバラエティに富んだ造形物はない
第2章 狛犬の起源と「はじめ狛犬」の魅力
第3章 狛犬の歴史と種類
第4章 もうひとつの狛犬―狼像
第5章 戦争と狛犬
第6章 アートとしての狛犬
第7章 寅吉・和平の奇跡

このなかで興味深かったのは第7章の「寅吉・和平の奇跡」。この章は次のような構成になっている。
7-1 ひとりの高遠石工から始まる物語
7-2 反骨不屈の石工・小松寅吉布孝
7-3 「飛翔獅子」は寅吉の発明か?
7-4 遅咲きの天才・小林和平
7-5 神に近づいた狛犬たち

小松利平(理兵衛)は高遠藩から脱藩して、福島県の福貴作という小さな集落に住みついた石工。南福島の地で利平はいくつかの作品を彫っているはずだが、脱藩者故、自分の名前を刻むことはなかったという。

この利平の元に修行に出されたのが小松寅吉。寅吉は大変な負けず嫌いで、石工としての技術を偏執的なまでに磨き上げたという。ある歌碑を巡るエピソードがこの本に紹介されている。

松平定信が詠んだ歌の歌碑を囲む石柵が寅吉の作品だという。歌碑そのものは東京の名門「井亀泉」に発注して、寅吉にはその周りの柵だけを依頼した。

寅吉は柵に巨大な石の扉をつくり、そこにびっしり細かな彫刻を施した。中の歌碑は扉で隠されて正面からは全く見えない。扉の裏側には2匹の逆立ち狛犬が隠れている。寅吉の負けず嫌いな性格、石工としてのプライドがこの柵と扉をつくらせたのだ。本には石柵の全景と扉の裏側の狛犬の写真が載っている。いつかその地、白河市を訪ねてみたい。

狛犬研究家・のぶさんがこの石柵を取材している。→こちら

本には寅吉の作品がいくつか紹介されているが、最高傑作とされる鹿嶋神社の狛犬は確かに凄い。

寅吉の一番弟子が小林和平。和平は3人の子どもを亡くしている。石都都古和気(いわつつこわけ)神社の狛犬には3匹の子獅子が付き添っている。失った3人の我が子への鎮魂・・・。本のカバーの狛犬も寅吉の作品で、寅吉の妻の生まれ故郷の鐘鋳神社のもの。

信濃は高遠藩出身の小松利平、利平の後継者の小松寅吉、そして寅吉の一番弟子の小林和平。この3人の石工の人生ドラマ。狛犬を芸術の域にまで引き上げた彼ら。

いつか彼らが残した芸術作品を見に行きたい・・・。


 


本を読む

2015-08-13 | A 読書日記

 

 久しぶりに丸善へ出かけた。少額だが臨時収入があったので本を買うことにした。

買い求めたのはこの2冊。『狛犬かがみ』たくまよしみつ/Banana Books と『飛鳥―水の王朝』千田 稔/中公新書。

『狛犬かがみ』 全ページカラーの狛犬カタログとでもいうべき本で、狛犬に関する知識を得るというより、全国各地の個性豊かな狛犬の写真を見て楽しむことができる。 

『飛鳥―水の王朝』 松本清張の『火の路』を再読してから、この時代に興味が湧いた。本書の著者は**日本という国を大きく転換させたのは、飛鳥時代と明治時代だと私は思う。(中略)七世紀代の飛鳥の方が十九世紀後半から二十世紀初頭の明治時代よりも根底的に思想的転換をなしたといってよい。飛鳥の時代は日本の歴史の上でそのような大きな変革をもたらした画期であることを、あらためてみつめ直さねばならない。**と書いている。

今年の後半は日本史を少し勉強するか・・・。


 


「ジュラシック・ワールド」

2015-08-10 | E 週末には映画を観よう


チラシの一部

■ 「ジュラシック・ワールド」を観た。「ジュラシック・パーク」のバージョンアップ版、それもかなりの。今年の夏休みはこの映画だけで終わりかな・・・。いや、もう1作、「日本のいちばん長い日」も観たい。

3D(日本語吹き替え版)故か、空飛ぶヘリは本物には見えず、テーマパークの俯瞰映像はジオラマに見えてしまった・・・。だが、恐竜は実にリアル。実写映像がリアルに見えず、CGが実にリアルに見える・・・。虚実逆転。

ストーリーは第一作の「ジュラシック・パーク」と基本的には同じで、檻から逃げ出して人や他の恐竜を襲い始めた大型恐竜インドミナス・レックスから主人公たちが辛うじて逃げ延びるというもの。

インドミナス・レックスは欠損していたDNAを他の動物のDNAで補うだけでなく、遺伝子操作もして誕生したなかなか賢くて凶暴な大型恐竜だ。ヘリコプターを襲わせるために翼竜の檻、館(?)を破壊して空に彼らを解き放つなどということもやってのける(と私は理解した)。翼竜の大群に襲われて逃げ惑う人、人、人のシーンは印象的な映像だった。ヒッチコックの「鳥」もここまで来たか・・・。

テーマパーク内を移動するジャイロスフィアというガチャガチャに似た球形の乗り物はなかなかのアイディア。

もはや映画ではどんなシーンでもCGでリアルに表現できる。だが、そのようなシーンを具体的にイメージできるところがスピルバーグはじめ製作スタッフのすごいところ。

登場人物の内面、心の揺れを描く人間ドラマ的な要素に乏しいのは残念だったが、恐竜の生態観察ができるテーマパークで2時間ちょっとハラハラドキドキの時間を過ごすことができた。

主要な登場人物に子どももいることがスピルバーグ映画の特徴のひとつだが、この映画も然り。大人でも子どもでも楽しむことができる映画だ。


 


律令国家の転換と「日本」

2015-08-08 | A 読書日記

■ 日本の歴史の第4巻『平城京と木簡の世紀』渡辺晃宏を読み終えた。この巻では天武天皇が飛鳥に都を造営してから、桓武天皇が都を長岡京、さらに平安京へと遷すまでを扱っている。

引き続き第5巻、『律令国家の転換と「日本」』坂上康俊を読み始める。本巻が扱うのは平安時代の初期、9世紀が中心。この時代になると史料も豊富で、政治、経済、社会について詳細な論述ができる。ただし著者というか研究者により史料の解釈が異なるし、歴史観も違うから何を取り上げ、何を省略するかが変わる。だが、私は歴史に疎いし、類書の読み比べもできないからその違いは分からない・・・。

全26巻を読むのにどのくらいの期間かかるか分からないが、とにかく読むことにする。


 


二十三夜塔

2015-08-06 | B 石神・石仏



 北安曇郡池田町会染の宇佐八幡宮の境内に道祖神や青面金剛像などの石神、石仏が9基祀られている。左端は二十三夜塔。

月が信仰の対象の二十三夜講(集落内の「講」という組織のひとつ)は昭和になって次第に減ってきて、今では皆無。





整った形の自然石の右側面に建立年が彫ってある。寛正?いやこれは寛政。政という漢字の偏と旁を縦に分けて彫っている。 以前もこのような表記を目にしたことがあった。

「寛政十一己未卯月立日」 ネットで調べると確かに寛政11年(1799年)の干支は己未(つちのと ひつじ)。

十六夜月、立ち待ち月、居待ち月、寝待ち月、更け待ち月、二十日余りの月、そして二十三夜月。二十三夜月はかなり細い下弦の月。月出は23時近く。

講では当番の家で月出を拝んでから二十三夜の本尊である勢至菩薩の掛軸の前で念仏を唱えてから、酒を飲み、談じて夜を徹したそうだ。

講に宗教的な意味合いはあまり無く、集落内の親睦会だったのだろう。


 


池田町 宇佐八幡宮の狛犬

2015-08-05 | C 狛犬



 北安曇郡池田町会染にある宇佐八幡宮。その鎮守の杜を南側から望む。



えんじ色の鳥居、神楽殿、その後方に拝殿を望む。



神楽殿



拝殿の手前に狛犬がいる。

この神社の御祭神は誉田別命(ほんだわけのみこと)と建御名方命(たけみなかたのみこと)。長野県には建御名方命を御祭神とする神社が少なくない。

建御名方命の父親は因幡の白兎の神話にでてくる大国主命。大国主命は肉食系の神様で、出かける先々で美女に惚れて、なんと181人、いや神様だから181柱も子どもがいたという。

さて、狛犬観察。



右側の阿形の狛犬(獅子) ユーモラスな表情、くるくるたてがみ、ツルリンチョな体。



この後ろ姿に、アルコールなブログだったらコメントしたいことがあるが、禁酒中につき、控える。




吽形の狛犬。こんなマンガチックな表情をしていて聖域を守護することができるのか、ちょっと心配になる・・・。



ストレートなたてがみ。


 

前肢の間をくり抜かないで残している。狛犬研究家・のぶさんは穂高神社若宮社の狛犬を手本にしたのではないか、と指摘している。



台座に萬延元申年八月吉辰と彫ってある。萬延元年(1860年)は庚申の年。この年の3月18日に安政から改元された。早々と改元するのには、庚申の年が早く終わって欲しいという願いが込められているのだとか。


 


脳と脳の間で情報通信する技術の開発!

2015-08-04 | D 新聞を読んで

■ 信濃毎日新聞8月3日付朝刊の文化欄に「脳と脳 意思疎通できる?」という見出しの科学記事が掲載された。

「意思」や「知覚」を相手に伝えるには言葉や動作で表現する必要があるが、それを直接脳と脳との間で通信して伝えることができないか・・・。そんな可能性を探る実験的研究が始まっているという。

脳と脳との間で情報通信するのに必要な技術は以下のようなフェ―ズに分かれる。
①脳神経が活動する際に出る電気的な信号がどんな意思や知覚を表しているかを読み取る技術
②読み取った情報を送信する技術
③受信側の脳で意思や知覚の内容を生成する技術

こんなSFのようなことが可能になるのだとしたら・・・。



ここで思い出すのはスタニスワフ・レムの『ソラリスの陽のもとに』というSF小説だ。惑星ソラリスを覆う海は「知的生命体」だ。ソラリスの海は人の脳の思考活動や記憶を読み解く能力があってそれを具現化してみせるのだ。

物語でこのソラリスの海はソラリスを探査する宇宙ステーションの主人公クリスの脳内情報を読み取って、彼の前に10年前に死亡した恋人ハリーを出現させる・・・。

新聞記事にはサルの脳どうしをつなぐ(①と③がサルの脳)というイメージのイラストが載っているが、③の受信側を自分の脳とすることはイメージしにくい。自分の脳内に直接相手の意思が生成されるとはどういうことなのか・・・。③をスマホのような携帯端末だとして、それに相手の「意思」や「知覚」を表示することができるとしたら・・・。

相手が何を考えているのか言葉を交わさなくても分かってしまう。嘘をついても分かってしまう。そんなSF的世界の到来は人間社会を成り立たなくしてしまうのではないだろうか・・・。

いやコミュニケーションの形式はもしかしたら未来にはこんなことになるのかもしれない。直接会話からメールでの間接的な会話へ、そして脳と脳との直接的な情報交換へ。それは冷たくて、不気味な世界のような気がする・・・。


 


朝カフェ読書

2015-08-02 | A 読書日記

 

 月曜日から昨日の土曜日まで肝臓は連続休暇、すばらしい。 これで私はアル中ではないことを確認できた。

今日(2日)は早朝から墓地の清掃で汗をかいた。帰宅後シャワーをしてビールといきたいところだが、麦茶にする。ビール代が浮くし、空き缶の処分の必要もない。これはなかなか好い。 

*****

先日出勤途中で朝カフェ読書をした。忙中に閑あり、か・・・。渚のスタバで朝7時半から約1時間、日本の歴史第4巻『平城京と木簡の世紀』を読んだ。

上の写真にも木簡が写っているが、この時代の木簡が大量に見つかっている。二条大路で7万4千点もの木簡が見つかっているそうだ。時代的には長屋王死後の735、6年頃のものだという。

これらの木簡には政治や経済、暮らしに関する様々な情報が記されている。これらを読み解くことによって当時の社会の様子がかなり詳細に分かる。

また朝カフェで続きを読もう。


 


ブックレビュー 1507

2015-08-02 | A ブックレビュー

 7月の読了本はこの6冊。




『火の路』 松本清張/文春文庫と『氷壁』 井上靖/新潮文庫 

共に再読。 やはり読み応えのある長編はいい。今秋、何か長編小説を読もう。


『再現 江戸の景観』 清水英範、布施孝志/鹿島出版会

江戸絵図を基礎資料とした景観再現の試み。


『信濃が語る古代氏族と天皇 善光寺と諏訪大社の謎』 関裕二/祥伝社新書

天武天皇の信濃遷都計画、前方後円墳の空白地、建御名方神・・・。古代史はロマンだ。

**天武天皇の時代には、日本列島を縦断する信じがたい巨大プロジェクトが進められていたことがわかってきた。それが、「古代のハイウェイ」である。
すでに七世紀後半に、「なるべく直線で」「幅約一二メートル」「全長六三〇〇キロメートル」という想像を絶する「巨大国道」の造営が始まっていたのだ。**311頁 

何とも驚きで信じられないが、このことは6月に読んだ『道路の日本史』 武部健一/中公新書に出てくるし、今読んでいる『平城京と木簡の世紀』 日本の歴史04 渡辺晃宏/講談社にも出てくる。


『パパは楽しい躁うつ病』 北杜夫、斎藤由香/新潮文庫

**長年 父の本をご愛読 ありがとうございます 益々お元気で** 信州大学で行われた斎藤由香さんの講演会場で買い求め、メッセージ付きのサインをしてもらった。講演会でも映し出された家族写真が何枚も載っている。北杜夫ファンとしてはこれらの写真だけでうれしい。



**斉明朝の石造物は、酒船石・須弥山石など、導水施設としての機能を兼ね備えているのが特徴である。(中略)ここは飛鳥の中心部から多少奥まったところにあり、閉ざされた空間となっているので、ただの庭園とは考えがたい。清浄な水を得るために二段がまえの水槽として作られていることに着目すると、大王のみそぎに関連する施設とみるのがよいのではないかと思う。**(「大王から天皇へ」287頁)

松本清張が『火の路』で唱えた飛鳥の石造遺物の源流を古代ペルシャに求め、ゾロアスター教との関連を指摘する説は壮大で興味深いものだった。