透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

中秋の名月

2016-09-15 | A あれこれ

● 今夜(15日)は中秋の名月。何年か前まで中秋の名月は満月だと思っていた。今年の場合、満月は17日の早朝。

もともとこの国には満月を愛でる習慣はなかったらしい。例えば十三夜のように少し歪な形の方を好むという心性が日本人にはあるようで、整形の満月を愛でるという習慣は中国から伝わったと何かで読んだ(読んだ書名は忘れてしまった)。

すでに書いたことだが、シンメトリックな都市の配置も中国から伝わってきた。それがいつの間にかアシンメトリック、非対称な配置になっていく・・・。寺院の伽藍配置も然り。(過去ログ)これも上記のような日本人の心性、要するに好みに因るのであろう。

今夜の名月は雲に隠れている・・・。



待てば満つと思へど侘し竹取の姫になる術知らぬ吾が身は 「虹の岬」辻井 喬/中公文庫より


 


― そうだ また茨城、行こう

2016-09-13 | A 火の見櫓っておもしろい

**どうやら茨城県には変わった火の見櫓(藤森照信さん*1の表現に倣えばヘンな火の見櫓)があちこちに立っているらしい。出かけて直接観察しなくては・・・。**以前、こんな記事を書いていました。過去ログ  今月4日、霞ケ浦の最奥部に境を接する茨城県小美玉市まで出かけて6角形の火の見櫓を見てきました。ようやく願いが叶ったのです(写真上)。

タクシーの運転手さんの話だと当日の朝は雨降りだったそうです。現地には8時前に着きましたが(なにしろ上野を6時4分発の電車で出かけましたから)、その時、雨が止んでいたのはラッキーでした。雨降りだと上向きにカメラを構えることが出来ませんから。

茨城県には他にも6角形の火の見櫓があることが分かりました。 所在地は結城市。小美玉市の6角形の火の見櫓をつくった鉄工所の所在地が結城でしたから、同じ鉄工所がつくったのかもしれません。

電車で行くなら、JR常磐線の取手で関東鉄道常総線に乗り換え、下館でJR水戸線に乗り換えます。そして結城駅で下車となります。駅からは徒歩圏内です。

上野からの所要時間は、どうでしょう、1時間半くらいではないでしょうか。結城市といえば結城紬が有名ですが、古い城下町で蔵も残っているようですし、寺や神社も多いとか。半日くらいかけて街歩きをしてもいいかもしれません。 などと書いていると俄然行きたくなってきます。



撮影日160904 茨城県小美玉市堅倉

*****

茨城県には下の写真のような脚部が鉄筋コンクリート造の火の見櫓もあります。この写真は同僚が撮ってきてくれたもので、私はまだ見ていません。



撮影日140306 茨城県常総市水海道宝町(撮影Y君)

この火の見櫓は関東鉄道常総線の水海道(みつかいどう)が最寄り駅で、やはり徒歩圏内に立っています。これは好都合です。結城の6角形の火の見櫓と水海道の鉄骨と鉄筋コンクリートの混構造の火の見櫓を同日に見ることができます。どちらを先に見るか迷うところです。

次回、泊まりで週末東京する時には、ぜひ行きたいと思います。


*1長野県茅野市出身の建築史家・建築家です。

 


久しぶりの高校野球観戦

2016-09-12 | A あれこれ

■ 昨日(11日)の昼過ぎに高校野球を見に行ってきた。新聞記事を頼りに正確に書くと第135回秋季北信越高校野球県大会地区予選、その母校の試合。高校野球を野球場で見るのは一体いつ以来のことだろう・・・。野球場に着いたときは既に5回の裏、得点は7対6。母校が1点リードしていて相手校の攻撃中だった。

先週の金曜日(9日)に久しぶりに高校の同期生の親睦会(毎月第2金曜日の飲み会)に出たが、その時、野球部OBのM君からピッチャーのK君はなかなか良い、と聞いていた。

6回の表、母校の攻撃。長打が続き3得点。その裏をK君が無得点に押さえて7回の攻撃、確か打順は上位、またまた長打で3得点。攻撃力もあるじゃないか。 

1塁側のスタンドに応援団が陣取って、応援歌を歌っている。懐かしい。高下駄を履いてマントを着ているのは、女子生徒というのには驚いたけれど・・・。

♪ 敵のヒョーロク玉 どえらくなぐれ 天守閣まで打ち上げろ ソリャスコンクノーエ 

7回裏の相手校の攻撃をきっちり3人で押さえて13対6。7点差でコールド勝ちした。

選手が整列すると校歌が流れてきた。地区予選でも勝利校の校歌を流すんだ、知らなかった・・・。ピアノの伴奏でかなりアップテンポにアレンジされていた。スローテンポな校歌はこんな時には不向きなのかも。なんだか懐かしくて一緒に歌った。

次の試合の相手校はどこだろう。休日の試合ならまた応援に行こうかな。

今年の夏の大会でも善戦した母校、来年あたり甲子園出場を果たしてくれないかな。 そんな「夢」が実現したら万難を排して応援に行く!!


この試合、母校は2塁打8本。

 


八坂のマンホール蓋は金太郎

2016-09-11 | B 地面の蓋っておもしろい


撮影日160910 大町市八坂切久保にて

◎  旧八坂村(現大町市八坂)の農集排のマンホール蓋。村花のヤマザクラを周りに配し、中には金太郎。

八坂村に金太郎? どうして?

むかし、大姥が八坂の山に棲んでいた。大姥は有明山の八面大王と恋仲になり、大王の子を宿し産んだ。その子が金太郎、ということだそうだ。

足柄山の金太郎しか知らなかった・・・。


 


ブックレビュー 1608

2016-09-10 | A ブックレビュー

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■ 8月は宇江佐真理作品三昧月だった。

2の『見上げた空の色』宇江佐真理/文春文庫と3の『まち再生の術語集』延藤安弘/岩波新書は入院中に読んで、写真を病室で撮ったから、背景色がその他の写真とは違う。このグレイッシュブルーは病室の椅子の座面の色。 そう、何か背景になるものないかな~、と病室を見まわして目に入った椅子。

この中で印象に残った作品を1冊だけ挙げるとすれば『春風ぞ吹く 代書屋五郎太参る』新潮文庫。学問成就、恋も成就で、めでたしめでたしなストーリー。比して我が来し方を嘆いても仕方がない・・・。


 


645 大町市八坂切久保の火の見櫓

2016-09-10 | A 火の見櫓っておもしろい


プライバシーに配慮して小さな写真を載せた。

■ 大町を拠点に建築の設計をしている友人・T君のホームページにこの写真とほぼ同じアングルの写真が掲載されている。T君が設計した定住促進住宅・里山の家を紹介する写真だが、その右後方に火の見櫓が写っていることに気がついた(上の写真に写っているが分かりにくい)。T君に場所を教えてもらい、今日(10日)の午前中に出かけてきた。


645  八坂は山の中

火の見櫓は切久保地区の公民館の敷地に立っていることが分かった。そこには滑り台や鉄棒が設置されていたが、遊ぶ子どもの姿はなかった。

3角形の櫓に6角形の屋根と6角形の見張り台の火の見櫓。見張り台の床の高さは約8.7メートル。



とてもがっしりとしたつくりだ。半鐘の隣にサイレンが設置してある。



脚部は等辺山形鋼を重ねて丈夫につくってある。



サイレン鳴動装置を消防信号表示板とともに公民館の玄関ポーチの壁面に設置してある。火の見櫓に登らずして、サイレンを鳴らすことができるから、楽。このような対応も時代の流れか・・・。





週末東京9 「偶有性操縦法」

2016-09-10 | A 読書日記



■ 週末東京の記事はこれで最後にする。

OB会の今年の幹事は余興にクイズをした。3択問題に最後まで正解を続けた人が優勝。私は2位になった。賞品はクオカード
だった。

東京駅前のオアゾの丸善は東京するたびに行く書店。友人との約束の時間まで本を探す。『偶有性操縦法』磯崎 新/青土社を賞品のカードで買った。このところ買い求めるのは文庫か新書ばかりだった。単行本は久しぶりだ。

磯崎さんは新国立競技場の設計をめぐるドタバタ劇について、国際的な信用が堕ちてしまったことを憂慮している。

磯崎さんの文章は注意深く、じっくり読まなくてはならない。


 


84 週末東京8 OB会の二次会で

2016-09-10 | C 名刺 今日の1枚

84枚目 

毎年この時季に大学で所属していた研究室のOB会がある。ここ何年かその連絡をしてもらっているかなり後輩のTさん。私の役目は同期生にTさんからの連絡をメールで伝え、出欠を確認してTさんに伝えること。ということでお互い名前は知っていたけれど、今までOB会の会場で話をしたことはなかった。

二次会で名刺を渡した。

出席者のとりまとめという大変な作業を労をいとわずしてもらっているTさんに感謝。



週末東京7 「レバ刺しの丸かじり」

2016-09-10 | A 読書日記

 週末東京に出かけた3日の朝、あずさの車内で読もうと、買い求めておいた『レバ刺しの丸かじり』東海林さだお/文春文庫を持参した。

「週刊朝日」に連載中の「あれも食いたいこれも食いたい」をまとめて収録した本で、それぞれの食エッセイは6ページと短く、細切れ読書向きだ。

往きのあずさでは窓外の景色に火の見櫓を探すこともしていたので、読み終えることができなかった。
翌4日、茨城県小美玉市まで火の見櫓を見に出かけたことは既に書いたが、その時の帰りの電車内で読み終えた。

食に関し、普段ぼくが観察したこともないようなこと、考えたこともないようなことを東海林さんは観察し、考える


「とナルト、ナルトは」はラーメンに入っているナルトに関する考察。

**「あれを入れることにどういう意義があるんですか」**と東海林さんは問う。**
誰に向かって質問しているのか自分でもわからないのだが、強いていえば、ナルト当局ということになるんじゃないですか。**(16頁)とユーモラスに書いているが、これは読者への問いかけ。だから、**丼の中をのぞくと入っているんですね、ナルトが。そういうとき、あなただったらどういう思いになりますか。**(17頁)と続く。

メンマもチャーシューも麺もスープも強い必然で結ばれているけれど、ナルトはラーメンという組織の中で浮いている、と東海林さんは指摘する。なるほど、確かに。これ分かるなあ、と思う。

円形のナルトにあるミゾはどれも16個ということも書いている。ここを読んで僕はヒエ~、よく観察しているなあ、と思う。

先日食べたラーメンにナルトが1枚入っていたので数えてみた。確かにミゾは16個だった。2回数えたから間違いない。

とまあ、こんな風にいろんな食べ物について考察したエッセイ集で、とにかく面白い。

*****

しばらく前に読んだ同シリーズの『アンパンの丸かじり』にアンパンには表と裏があるという指摘がある。茶色が表で白が裏だそうだ。で、アンパンは十人が十人、いつも茶色いほう、すなわち表を上にして食べているという。確かに。私もそうする。東海林さんはなぜでしょうと読者に問いかけているが、答えというか、自身の考えは書いていない。

週末東京する際、あずさの中で考えてみたが、答えは浮かばなかった・・・。

なぜアンパンは茶色いほうを上にして食べるのでしょう?



 


週末東京5 ポンピドゥー・センター傑作展

2016-09-08 | A あれこれ

■ 前稿に書いた通り、霞ヶ浦の最奥地に境を接する茨城県小美玉市、そのやや北寄りを横断している国道6号沿いに立っている6角形の火の見櫓を観察した。その後、電車で10時過ぎに上野駅に戻り、山手線で東京駅へ。

東京駅前のオアゾにある丸善本店のカフェで東京在住の友人と待ち合わせ。和食の店で食事を済ませてから東京都美術館へ。今月22日まで開催している「ポンピドゥー・センター傑作展」を鑑賞した。



リーフレットにピカソ/マティス/デュシャンからクリストまで、とあるように、ポンピドゥー・センターのコレクションから誰でも知っている巨匠の作品やあまり知られていない芸術家の作品までを紹介する展覧会。

1906年から1977年まで1年1作家1作品と展示するという企画で、例えば1917年はこの年に制作されたシャガールの「ワイングラスを掲げる二人の肖像」、1935年はピカソの「ミューズ」、1948年はマティスの「大きな赤い室内」、1950年はビュフェの「室内」、1956年はジャコメッティの「ヴェネツィアの女Ⅴ」といった具合。

で、最後の年、1977年はポンピドゥー・センターの模型だった。ポンピドゥー・センターは古いパリの街並みに出現した前衛的なデザインの美術館で、そのデザインは賛否両論渦巻く大論争を巻き起こした。


展示作品の中ではカンディンスキーの「モノクロの小宇宙」という白黒の市松模様の上にグラフィックなデザインを配した作品が特に印象に残った。カンディンスキーの作品は好きだが、この作品は知らなかった。

展示作品は多くもなく、少なくもなく、ちょうどよい点数だった。作品の上に大きく西暦年が表示されていて順路が分かりやすく、気鋭の建築家が手掛けたという展示空間はなかなか良い構成だった。

鑑賞後、美術館のカフェで友人と歓談。夕方、上野駅で友人と別れて新宿に移動、帰路についた。


 


 


643 週末東京4 茨城の火の見櫓

2016-09-07 | A 火の見櫓っておもしろい

 **5本以上の柱タイプもあり得ますが、おそらく存在しないでしょう。わざわざ柱を5本、6本にする必要性がないからです。それでも何か特別な理由で、5本以上の柱の火の見櫓があるなら、たとえ遠くでも見に行きたいと思います。** 

14年1月に拙ブログでこのように書いたところ、「ありますよ」と、ある方からコメントしていただいた。どうやら茨城県に6本柱の櫓があるらしいということがその時分かり、ずっと行かなくては、と思い続けていた。

ついにその機会の到来。

4日(日曜日)、上野駅6時4分発の常磐線の電車で石岡駅に向かう。所要時間は約1時間半。駅からタクシーで向かった先は茨城県は小美玉市の市役所近くに立っている(はず)の6本柱の火の見櫓。国道6号を進み、タクシーの前方にこの火の見櫓が見えたときは感動した。あった!


643 撮影日160904

見張り台まで約18メートル、総高20メートル超の火の見櫓が国道6号と県道145号の交差点わきに立っていた。横架材が6角形だ。

6角形の櫓、踊り場も6角形、円形の屋根、円形の見張り台。






見張り台には6角形の見張り小屋がある。半鐘は撤去され、見張り台の床下にモーターサイレンが設置されているもよう。
6角形の横架材の入隅に火打を設置して補強し、変形を防いでいる。



踊り場の半鐘も今は無く、切妻小屋根だけが残っている。消火ホースを掛ける腕木を手すりに設置してある。





確かに脚が6本ある。アーチ形の脚とトラスの3角脚を交互に配置しているが、合理的な理由があるのか、恣意的なものなのかは分からない。



下から見上げる櫓、6角形! 



小美玉市のHPに、小川町と美野里町、玉里村の3町村が平成18年3月に合併してできたことが紹介されている。美野里町はこの火の見櫓が建設された昭和33年4月にはまだ村だったことがこの銘板から分かる。

6角形の火の見櫓があったなんて・・・、どうやら他にもあるらしい。こんなのがあるから、♪ やめられない、とまらない U1の火の見櫓巡り。


追記 191228 この火の見櫓は2019年1月に撤去され、現存しない。残念だ。


週末東京3 古代ギリシャ展、うさぎやCAFE

2016-09-06 | A あれこれ



■ ミッドタウンから日比谷線で上野へ移動。

東京国立博物館平成館で今月19日まで開催している特別展「古代ギリシャ 時空を超えた旅」を鑑賞する。古代ギリシアの文化・芸術には全く疎く、知識ゼロだが、やはり惹かれる。

8つのセクションから成る展覧会、その第3セクションはミュケナイ(ミケーネ)を中心とするミュケナイ文明。このセクションの入口の壁面上部にミケーネの獅子門のレプリカが設置され、横の壁面には獅子門の小さな写真が展示してあった。

トロイの遺跡の発掘で知られるシュリーマンによって発掘されたという獅子門には2頭の獅子が中央の柱に向かって立ち上がっている姿が浮彫りにされているが、これは狛犬のルーツともいわれている。古代ギリシャの首都だった地で城を守る獅子は役目も狛犬と同じ。

以前『日本全国獅子・狛犬ものがたり』上杉千郷/戎光祥出版でこの獅子門のことについて読んでいたので、レプリカにはびっくりした。

展示品は西洋の美のルーツ、その精緻な造形にただただ驚くばかりだった。

*****

会場を後に、炎天下を徒歩でうさぎやCAFEへ。後で分かったが、距離は約2キロメートルだった。疲れた・・・。



うさ氷(ハワイウォーターを凍らせた氷+どらやきの餡+どらやきの皮に用いるハチミツ、による三重奏。餡のおいしさをストレートに味わっていただくかき氷です。以上、カフェのHPより引用)を食べる。美味。

既に5時半過ぎ、山手線の御徒町駅で友人と別れてOB会の会場へ向かった・・・。



 


週末東京2 ダムカレー

2016-09-05 | F ダムカレー

 昼食にミッドタウンのGENIE‘S TOKYOで土木展の開催に合わせて提供されているダムカレーを食す。





友人は豊平峡(ほうへいきょう)ダムカレー ローストした夏野菜付 プラス ギネスビール

北海道札幌市 石狩川水系豊平川のダム




私は岩倉ダムカレー きのこと豚のコンフィ添 プラス ハイネケンビール 

長野県下伊那郡売木村 天竜川水系岩倉川のダム