史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

泉岳寺 Ⅳ

2017年09月01日 | 東京都
(泉岳寺つづき)


大觀院神易呑象居士(高島嘉右衛門之墓)

 高島嘉右衛門は、天保三年(1832)の生まれ。父は遠州屋(本姓薬師寺)嘉兵衛といった。父とともに江戸で材木商を営んだが、盛岡藩境沢鉄鉱の経営に従事し、金貨密貿易で万延元年(1860)下獄。慶応元年(1865)出獄後は横浜で旅館業、土木建築業で成功を収めた。明治三年(1871)、高島学校(洋学)を創立。新橋・横浜間の鉄道開通式には庶民総代の一人に選ばれた。横浜でガス燈事業を起こし、愛知セメント、北海道炭鉱鉄道会社を興して社長となり、北海道に高島農場を開設した。その後、東京市電鉄社長となった。この間、易者としても名声を得た。長女多摩子は伊藤博文嗣子博邦に嫁した。大正三年(1914)、年八十三で没。

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浜松町 Ⅱ

2017年09月01日 | 東京都
(東京ガス本社)


創業記念碑

 浜松町東京ガス本社の前に創業記念碑がある。昭和十年(1935)の建立。
 首都におけるガス事業の始めは意外と古く、明治六年(1873)十二月のことである。銀座街頭にガス燈を設置し、そこへガスを供給するためにこの地にガス製造所が建設された。この事業を東京ガスが引き継いだのは、明治十八年(1885)のことである。さすがにガス製造は移転しているが、今もこの地に東京ガス本社が立地している。

(汐留ビルディング)


新見藩屋敷の石垣

 汐留ビルディングの東側に備中新見藩の屋敷の護岸に使用されていた石垣を見ることができる(港区海岸1‐2‐20)。新見藩は、岡山新見に陣屋を置く一万八千石の小藩で、江戸中期から幕末まで外様の関家が治めた。戊辰戦争では官軍についた。

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清澄白河 Ⅳ

2017年09月01日 | 東京都
(増林寺)
 先日、市原の小柳常吉の墓を訪ねたところであるが、小柳常吉のことを調べていたら、小柳の墓が浄心寺にあるということが「明治維新人名辞典」(吉川弘文館)に記載されていた。過去に浄心寺の墓地は、黒川盛泰の墓を探して散々歩いたので、多分探しても無駄足に終わるだろうという予感はあったが、念のため探してみることにした。小柳常吉の本姓は高石というが、その姓の墓すら見付けることができず、やはり空振りに終わった。
 そのまま地下鉄の乗って帰ろうとしたところ、出入り口の深川歴史散歩地図に増林寺に剣豪にして勝海舟の従兄弟である男谷(おだに)精一郎の墓があると説明があった。今までこの界隈を何度も歩いたが、ここに男谷精一郎の墓があることは知らなかった。急遽予定を変更して増林寺を訪ねることにした。

 墓地を歩き回った結果、男谷家の墓を一つ発見したが、側面には男谷直中とか男谷銑次郎といった名前しか読み取れない。精一郎とは別家のように思われる。


増林寺


男谷家之墓

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新橋 Ⅱ

2017年09月01日 | 東京都
(愛宕神社つづき)


愛宕神社

 愛宕神社の男坂である。男坂は、将軍家光の頃、間垣平九郎という男が馬でこの急坂を駆け上がり、将軍の求めに応じて梅を取って戻ったという故事に因んで、別名「出世の石段」とも呼ばれる。サラリーマンの街に相応しい名所といえるかもしれない。


西南戦争戦死者追悼碑

 愛宕神社の境内に西南戦争の戦死者を追討する石碑がある。西南戦争後の明治十二年(1879)の建立。表面が剥落して読解不能になっているのが惜しまれる。

(青松寺つづき)


追哀墳

 旧山口藩御親兵死没合祀之碑の傍らに請西藩の追悼碑がある。表には「追哀墳」と刻まれている。この石碑は、昭和十二年(1937)、即ち戊辰戦乱から七十年の式典の際に建碑されたものである。

(浅野内匠頭終焉之地)


浅野内匠頭終焉之地

 マッカーサー通りが開通し、工事のため一時撤去されていた浅野内匠頭終焉の地の石碑も元に戻された。浅野内匠頭がこの地で自刃したのは、元禄十四年(1701)のこと(港区新橋4‐31)。辞世

 風さそふ 花よりもなほ 我はまた
 春の名残を 如何にとやせん

 この石碑がある付近は、一関藩主田村右京大夫の屋敷があったことから、かつて田村町と呼ばれていた。現在藩邸があったことを偲ぶものとしては、この石碑しかない。

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