先のGWは竹さんご夫妻と広島県、山口県の史跡を歩いたが、その際に東広島市で東広島郷土史研究会の方々にお世話になり、史跡や墓所の案内だけでなく、幕末芸藩の神機隊のことなど、解説をいただいた。
その時、穂高健一の著作である「芸州広島藩 神機隊物語」や「広島藩の志士」をご紹介いただいた。以来、広島での記憶が薄れないうちに読んでおきたいと思っていた。
長女が書店のアルバイトを辞めることになった。辞める前だったら少し本を安く買うことができる、というので、この本を注文することにした。
広島藩は幕末のある時期までは、薩長土と並んで政局をリードする存在であった。本書によれば、土佐藩に先んじて大政奉還を提唱したのは広島藩だったという。しかし、幕末のどさくさに紛れて土佐藩に出し抜かれる格好で大政奉還を言い出されてしまう。
戊辰戦争では、広島藩に功を立てさせないよう、甲府など主要ではない戦線に神機隊が送り込されたとする。上野戦争でも前線に立つことはなく戦闘が終わってしまった。
東広島郷土史研究会の方々に、「幕末の政局では存在感のあった広島藩が、どうして明治新政府で「薩長土肥」に並ぶ地位に立てなかったのか」と、質問をしたところ、口をそろえて「薩長の陰謀だ」とおっしゃられていたが、果たしてどうなのか。確かに戦争における配置を決めたのは薩長ではあったが、その時点で戦争後の主導権まで考えている余裕があっただろうか。結局この本を読んでも、私の疑問は解決しないままであった。
本書は小説なので、必ずしも史実に忠実である必要もないし、創作や歪曲があっても結構であるが、それにしてもあまりに広島藩の正義と、神機隊の精強さを強調する描き方には最後まで違和感を拭えなかった。広島出身者の郷土愛をくすぐるには良い本だろうが、私のような広島とあんまり関係のない人間にはちょっとしんどい。
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