映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

足利冤罪事件と映画チェンジリング

2009-06-05 19:14:36 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)

今朝テレビを見ていたら、栃木足利の幼児殺害冤罪事件で釈放された被疑者がでていた。見ていたらかわいそうになった。だって、どう見てもそういう悪さをする人物には見えない人のよさそうな顔をしている。これまでもこういう話はいくつもあった。その中には、こいつ本当はやったんじゃないと思わせる人もいた。 今回は違う。

映画「チェンジリング」に通じるものがある。ロス市警と栃木県警の違いはあれど、威信がかかっているので警察は一度判断したことをひっくり返されることへ強く抵抗する。「チェンジリング」では、全く関係ないところで発見された子供を強引に行方不明の子供にしてしまう。それこそ現代であれば、DNA鑑定をやって一発でわかるはずである。ああいう時代だから警察自体もいい加減であった。しかも、本人と違うことを主人公の母親が証明しようとしたら、母親を精神病院に入れてしまうひどい話である

今回のDNA鑑定については、事件当時と今と鑑定の精度が大きく違っているようだ。その精度が高まった現代の鑑定で大丈夫だったので真犯人が別にいるのは間違いないであろう。しかし、精神鑑定を某大学教授によっておこない、今回の被疑者を幼児に対する異常な性癖があるように診断書を書いている。精神異常者に仕立てるのは「チェンジリング」と同じだ。これはひどい。しかも、その大学教授はインタビューのテープを捨てたというではないか?これっていいのかしら?

「チェンジリング」でも精神病院内で警察の言うとおりに認めなければ、電気ショックの機械にさらしたりする。異常者の行為が判明して、白骨死体が発見された後も、一部の良心的な警察官以外は隠蔽しようとした。
自白の件についても、到着した汽車を降りた少年を母親が違うと警察に言った時、とりあえず自分の子として扱うようにと無理やり警官に言われて写真を撮る。同じような話だ

すべての警察官が悪いというつもりはない。むしろほとんどの警察官はまじめだと思う。おそらくは当時のロス市警だってまじめな人がほとんどだったであろう。自分の過ちを素直に認めていないとあとで自分がもっと罪の意識に犯される気がする。栃木県警の上層部も、DNAの再鑑定を認めなかった検察も素直に懺悔して欲しい。「悪かった」と素直に謝って欲しい。そうでないと、当事者みんな死に際が悪いはずだ。

すぐにはできないであろうが、足利幼児殺人事件も映画化してほしい。

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チェンジリング クリント・イーストウッド

2009-06-05 19:11:34 | クリントイーストウッド

きつい映画だ。かなり気味が悪い。
クリントイーストウッド監督がアンジェリーナジョリーを主演に迎えて異常な犯罪の世界に入り込む。「グラントリノ」よりもかなりエグイ話だ。とかくロス市警は映画の世界では評判が悪すぎる。ここでは際立って悪い!!

1928年3月母子二人でロスに生活するアンジェリーナ・ジョリーが仕事に出ているすきに、子供が行方不明になる。警察に届けたが見つからない。失意の5ヶ月がたち、息子がイリノイ州で見つかったという知らせが入る。喜び勇んで、駅にて迎えた。しかし、来た子供は自分の息子と違った。一緒にいた警部に「この子は違う。」と主張したが、聞き入れてくれない。とりあえず彼を自宅に連れてきて、柱のキズで背の高さを確認すると7センチも低い。息子とは違うことを証明するために、通っていた学校や診察してくれた歯科に行って書面にて本当に違うことを証明させようとするが。。。。

変質者を登場させるのは、イーストウッドの得意技である。特に強烈なのは「ダーティハリー」「シークレットサービス」「ブラッドワーク」あたりだと思う。フィクションでなく今回は実話である。どうも犯人の顔は本物の顔に似ているようだ。イーストウッドは最初に実際のイメージに合った人を配役で選ぶことに注意をするらしい。今回はいろんな意味で会心の笑みを見せていることであろう。主演女優もヒラリー・スワンクやリース・ウィザースプーンの売り込みもあったらしい。 でもアンジョリーナでよかった。

アンジェリーナジョリーについては、個人的には派手なアクションで動き回る方が好きだ。でもシリアスな役も悪くはない。精神的に激しいダメージを受けるかなりきつい役だと思う。目つきも相当悪くするように指示されている。よくもったと感心する。これもここ数年の輝かしいキャリアがあるせいであろう。
ジョンマルコビッチはアンジェリーナジョリーの後見役的な神父さんの役である。頭が禿げていなかったので一瞬わからなかった。めずらしくきわめて一般人の役である。「バーンアフターリーディング」とはまた違った味を出す。イーストウッド映画では「シークレットサービス」で変質者を演じた。そして大統領警護のイーストウッドとの直接対決をする。あの映画でのマルコビッチの怪演ぶりは彼のベストではないであろうかと思う。
あとは本当に憎たらしいと見ている者に感じさせた、ロス市警の警部さん。途中でこっちがむかむかしてきた。これは素晴らしい演技だと思う。 「ディパーテッド」のマークウォルバーグがダブって見えた。

いずれにせよ1年に2作も傑作を生んだイーストウッドに感謝

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