映画とライフデザイン

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映画「かぐや姫の物語」

2013-11-27 10:16:42 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「かぐや姫の物語」を劇場で見た。

ネット上の玄人筋の評判は悪くない。日経新聞も★5つ、「うーん何か違うのかなあ?」と思い劇場に出かけた。日本人として生まれた子どもなら誰でも、かぐや姫の物語の概要は知っているはずだ。自分もアニメなのか?絵本なのか?はたまた幼稚園でやったのか?どこで習ったかは記憶に定かにないが、概要はわかる。ただ、本物の「竹取物語」は現代語訳も含めて読んだことはない。こうやって映画を見てみると、幼少時に聞いた話が思ったよりもしっくり来る。
アニメ画像はスケッチのようなタッチだ。ラインと輪郭がきっちりされているわけでない。特に生まれた田園地帯の画像によく出ている。予告で見たときにちょっと違うアニメだなあと思った。

むかしむかしのこと。竹取の翁は、竹林の中で光るタケノコを見つける。その中には小さな人形のような女の子がいた。竹取の翁はおばあさんと2人で暮らしていた。2人には子供がいなかったので、持ち帰るとおばあさんはものすごく喜んだ。手に取ると生まれたばかりの赤ちゃんになっていた。ふと気がつくと、ハイハイするようになり、あっという間に立って歩くようになる。一瞬にして成長してしまうのである。

「タケノコ」の愛称で捨丸という少年をリーダーにした近所の子供たちにかわいがられて、一緒に遊ぶようになっていた。最初はあっという間に成長するので、奇異に見られていたが、田園地帯のエリアで虫や動物たちと楽しく遊んでいた。一方翁は竹林で同じように光る竹を見つける。そこには大量の金が含まれていた。これは天からの授かりものと確信して、都で屋敷を購入して、3人で移り住むことにした。少女はいやがったが、いやいや付いていった。

都では立派なお屋敷に住むことになった。そこでは宮中の元女官を教育係にして、上流の習い事を学んだ。瞬く間に琴を習得し、教育係を驚かせる。美しい姫君となっていく彼女は「かぐや姫」と名づけられる。琴の美しい調べは屋敷の外の人たちをも魅了して、絶世の美女ということで都の評判となる。そのうわさは公家の高官にも広がっていった。我先に自分のものにしようとする中納言や右大臣たち5人が駆けつけてきた。かぐや姫はその高官たちの申し出に対して、条件をつけてきたのであったが。。。

自分として印象に残る映像を2つあげる。まずはかぐや姫の子供の頃の画像だ。赤ちゃんとして生を得て、おばあさんから乳をもらう。そして畳の上で縁側に向ってすっ飛んでハイハイして転落する。その部分がかわいい。気がつくと立っているのだ。この映画では赤ちゃんや幼児の画像がむちゃくちゃかわいい。現在と違って着物も着ないで裸同然で、「金太郎」のようである。小さい子がお守りにおんぶする映像も目立つ。子供が多かった昭和20年代から30年代の日本、特に田舎ではよく見る光景だった。今はほとんど見なくなった。

次は都に出た後、かぐや姫の成人を祝って三日三晩通して、かぐや姫の屋敷で宴が営まれる。盛大な宴だ。ところが、かぐや姫は姿を見せない。酔った男たちがかぐや姫を見たいと駄々をこねる。危険を感じた翁は制止しようとするが、うまくいかない。その後である。突如としてかぐや姫がかやの中から飛び出して、猛スピードで町の中を駆け抜けていく。凄い血相だ。そして住んでいた田園地帯に戻ろうとするのだ。この画像には少々驚かされる。画像のタッチが変わる。若干怖い世界に入り込むようだ。

その他も天からのお迎えのシーンなど気になる画像はいくつもあった。声優のできはよかったのではないかな?特に朝倉あきのかぐや姫の声がいい。古臭くなく、妙に現代ぽくなく好感が持てた。宮本信子もベテランらしく絶妙なテンポで演じていた。故地井武男はテレビの「ちい散歩」が好きだったので懐かしくなった。10年以上前だけど銀座「やす幸」のカウンターで地井さんが奥田瑛二と永島瑛子の3人で飲んでいるのに出くわしたのを急に思い出した。

あえて言えば一つだけ気になったのが、最終場面で捨丸のそばに突然現れて、一緒にどこかに行ってしまおうというシーンだ。その寸前に捨丸は自分の妻と妻に抱っこされているまだ幼児と思しき子供といる。それなのに2人で。。。というのが妙に不自然に感じさせられた。妻と子供と仲良くしているのに一瞬にして我を失って、かぐや姫と一緒になろうとする場面がどうもしっくりこない。浮気映画を見るのに常に嫌悪感を感じるわけではないが、この映画では、赤ちゃんや幼児の画像が妙にかわいいので、むしろこのときばかりはしっくりこなかったのかもしれない。

コメント
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