映画とライフデザイン

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映画「MR JIMMY レッドツェッペリンにすべてを捧げた男」

2025-01-24 18:34:51 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
ドキュメンタリー映画「MR JIMMY レッドツェッペリンにすべてを捧げた男」を映画館で観てきました。


映画「MR JIMMY」は「レッド・ツェッペリン」のギタリスト、ジミー・ペイジになりきることをライフワークとするジミー桜井を追ったドキュメンタリーだ。われわれの世代の男性はみんなジミーペイジへの想いは強い。無器用な自分はギター習得にはすぐさま脱落して聴く専門だけであった。高校の文化祭などでツェッペリンやディープパープルのコピー演奏は定番だった時代だ。

予告編でジミーペイジのコピーをしている男のドキュメンタリーが公開されるのがわかり興味を感じた。何せ本家本元のジミーペイジが自ら来日時に見に来た予告編映像を見てそれだけですごいと思う。とはいえ、よくあるコピーバンドの1つの話だと思ったら大違いだった。こだわりの強い昔ながらの職人気質の日本人の物語だ。ピーター・マイケル・ダウド監督がメガホンをとる。映画制作費でスッカラカンになったそうだ。

新潟県十日町生まれの桜井昭夫はレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジに惹かれる。やがて呉服店の営業マンや旅行会社の添乗員として働きながら、夜は音楽ライブハウスでペイジのギターテクニックを披露する「ジミー桜井」として音楽活動を続けていた。

ある夜、ウワサを聞いた来日中のジミーペイジ本人が桜井の演奏会場を訪れ賞賛される。桜井はサラリーマンの仕事を辞め、家族を置いてロサンゼルスに移住しレッド・ツェッペリンのコピーバンド「Led Zepagain」に加入する。しかし、徹底的にディテールにこだわる桜井の考え方と他のメンバーとの相違が生まれていくのだ。


すばらしいドキュメンタリーだった。感動した!!
単なるコピーバンドだと思ってはいけない。70年代にレッドツェッペリンが行った歴史的ライブでのジミーペイジのギターソロを徹底的にコピーする。原曲は同じでもそのライブによって、ギターのフレーズが違う。しかも、ギターの音源、アンプ、衣装の刺繍なども当時を再現するためにこだわる。それぞれの分野の職人と討論しながらリアルなジミーペイジを再現する。


ロックなどの音楽アーチストのドキュメンタリーは増えて映画館で見る機会も多い。故人の生前演奏映像などやゆかりのある人へのインタビューが中心だ。それ自体おもしろいけど、ここまでこだわりの強いアーチストを追った映像は見たことない。ジミー桜井の情熱に感動する。ジミーペイジが実際に演奏を見にきて喜ぶシーンを見ると感激してしまう。でも、それがこの映画の締めではなかった。そこから海外進出となる訳だ。


レッドツェッペリンの4枚目のアルバムまではロック少年必聴で細かいフレーズまで頭にこびりついている。聴き始めは中学生なので「immigration song」や「Black dog」などポップ調のなじみやすい曲に最初惹かれたが、次第にブルース調の曲に馴染んでいくようになる。1枚目の「Dazed and confused」、3枚目「Since I’ve been loving you」はこの映画でも繰り返し流れていたのもうれしい。

当然ロバートプラントのボーカルも重要で、コピーバンドで一緒に組むアメリカ人とリアルに迫るため徹底的に練習する。ただ、そのこだわりが葛藤と対立を生む。中盤からそういったシーンが増えていく。


ジミー桜井の葛藤が見ていて辛い。しかし最終的にはLed Zeppelinの関係者からものすごいオーダーが来る。それを見て本当によかったと思う。しかも、この映画にあたって破格の条件でリストアップした30曲すべてに使用許可が下りたという。普通で考えると、ものすごく高いもんね。

「映画を観たツェッペリンのメンバーが、音楽を真剣に追求している姿勢を評価してくれたと聞きました」(作品情報より)映画「スクールオブロック」で移民の歌 をジャックブラックのバックで流す時もやっと許可がおりたらしい。本当によかったね。
往年のロックファンには必見の映画である。

コメント
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