映画とライフデザイン

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恋するベーカリー  メリル・ストリープ

2010-10-07 05:12:10 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
「恋するベーカリー」は「ホリデイ」「恋愛適齢期」のナンシー・マイヤーズ監督によるラブコメディ。メリル・ストリープ主演で「ゲッタウェイ」のアレック・ボールドウィン、お笑い映画の帝王スティーヴ・マーティンの豪華な脇役で固める。若者向きというよりも熟年向きの作品で、初老の域に達する男女の恋を描いている。カリフォルニアのスパニッシュの匂いがする地域でのロケに加えて、ニューヨークの場面もちりばめ、現代アメリカの白人アッパー層の生活がよくにじみ出る映像がきれいだ。

カリフォルニアのサンタ・バーバラにあるベーカリーの経営者ことメリルストリープは、離婚後3人の子供を立派に育て上げた。共通の友人のパーティで10年前に別れた元夫の弁護士ことアレック・ボールドウィンと再会する。元夫婦は息子の大学の卒業式に一緒に参加することになっている。元夫は若い奥さんと再婚しているが、メリルは一人身で心が満たされない日々を送っている。卒業式に家族全員でニューヨークに行ったときに、一人で食事しようとしてウェイティングバーにいると横に元夫が偶然座る。一人同士なら一緒にと飲み始めると昔話で意気投合する。そして気がつくと一緒にベッドを共にしてしまうが。。。。



「恋するベーカリー」というとグルメ映画の色彩が強い印象を与えるが、この題名は全く適切でない。パン屋の場面は少ししか出ない。原題は「It's Complicated」複雑な恋ということを言いたかったのであろう。メリルの自宅の設計士であるスティーヴ・マーティンが離婚して間もないという設定で、恋のライバルとして現れる。ナンシーマイヤーズの作品であれば、「恋愛適齢期」が同じテイストの気がする。あの映画でもダイアンキートンを脱がせた。これも似たような場面がある。ご婦人たちとの会話もかなり卑猥で、若干エッチな雰囲気を残すのが監督さんは好きなようだ。



映画自体はメリルストリープ主演という割には普通の映画といった印象だ。しかし、「プラダを着た悪魔」のようなキャリアウーマンでにこりともしないような役よりはこの映画の方が彼女らしい。アレック・ボールドウィンは昔と比べると太って別人のようだ。貫禄がついたので白人の富豪の役なんかやらせるとこれからうまくいくかもしれない。ギラギラしたところがなくなった。スティーヴ・マーティンがマジな顔をしていると不思議な感じだ。いつ本領を発揮してギャグを言うかと楽しみにしていたが、今回は別の一面を見せる。植木等が晩年シリアスな役もうまくなったようにイメチェンするのかな?



それにしても、美術、音楽、撮影は完ぺきだ。サンタバーバラの美しいスパニッシュ瓦の家をいきなり映し出し、この先の映像に期待させる。色彩設計がよく最後まで期待通りの美しい映像だった。メリルがつくる料理が実にうまそうだし、中のインテリアと小物のセンスは抜群だ。パーティ場面の選曲もよく、音楽も実に映像にあっている。アメリカのラブコメの中でも映像の美しさは極致をいっている。女性監督の神経の細やかさだろう。

感動するという作品ではなく、アメリカの白人層の生活を観てみたい人に?といったところか

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