映画とライフデザイン

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映画「大魔術師Xのダブル・トリック 」 トニーレオン

2013-05-05 06:54:26 | 映画(アジア)
映画「大魔術師Xのダブル・トリック」はトニーレオン主演のコメディタッチの香港映画
トニーレオンが天才マジシャンを演じる。これは面白い!

この映画今年年初に公開されていることは全然知らなかった。
ブログのプロフィルにはずっと「花様年華」のトニーレオンとマギーチャンの写真を貼り付けている。
当然大ファンだ。彼の作品はずっと見ている。それなのに気がつかないとは、配給元も全然宣伝していなかったのであろうか?
恋のライバルとなる軍閥の主をラウ・チンワンが演じる。つい先ごろ大好きなジョニートー監督の新作「奪命金」でも喜劇役者ぶりを発揮していた。表情が豊かな顔も面白いが、振る舞いが滑稽で常に笑いを提供してくれる貴重な存在だ。この映画でも存分にその実力を発揮する。

民国時代1920年頃の北京、天橋。街では軍閥の雷大牛(ラウ・チンワン)が勢力とその覇権を轟かしていた。彼は世間では恐れられていたが、実生活では愛を受け入れてくれない第七夫人の柳蔭(ジョウ・シュン)に翻弄される日々を送っていた。
その頃、街では一人の天才的マジシャン張賢(トニー・レオン)が現れ、見事なマジックで人々を魅了していた。雷もその一人で、ある日張賢を屋敷へ招くがそれは張賢の計算づくの事であった。彼の目的は幽閉された師匠(チョン・プイ)との再会、そして柳蔭を奪い返す事であった。なぜなら彼女は張賢の元恋人だったのだ。

張賢は軍閥転覆を狙う革命団と手を組み、周到な計画を立てるが、その背後では勢力を争う軍閥たち、清朝復活を目論む残党、マジックの奥義“七聖法”を狙う者、そして謎の日本人組織が絡み出し、計画は思いがけぬ方向へと展開していく。果たして彼らの運命は!? 恋の行方は如何に? そして驚きのどんでん返しが!(作品情報より)

トニーレオンのマジックが実に華麗だ。
普通よく見るマジックだけでなく、さまざまなパフォーマンスも見せてくれる。
なかなか楽しい。

ラストコーション」「レッドクリフ」と大作が中心だったけど、ホームグラウンドの香港で笑える映画に出てくれたのはうれしい。本国では旧正月公開の作品だったようだ。個人的には彼の話し方の間の取りかたが好きだ。早すぎず、遅すぎずクールな会話をする。

時代背景からすると、1920年ころは中華民国が成立したにもかかわらず軍閥同士での争いが絶えなかった時代だ。清国滅亡の後、このころは清室優待条件に基づき「ラストエンペラー」溥儀はまだ紫禁城にいた。清朝復活を願う連中もいてもおかしくない。それに加えて、日本人も徐々に大陸を侵食しつつある。そういう争いが絶えない時代で設定したのはうまい。

この映画のテーマも男の競い合いだ。先日「ブラック&ホワイト」の欄でも指摘したが、その女がいいかどうかを別として争いだすときりがない。元々は柳蔭(ジョウ・シュン)は張賢(トニー・レオン)の女だ。欧州に行っていた元彼氏が2年の月日を隔てて人妻の前に戻ってくる。これってフィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」(映画版;華麗なるギャツビー)のギャツビーが第1次世界大戦を隔てて戻って、昔の女デイジーに会うのと似ている。そしてひっそりと作戦を練り、大胆に相手に向かって言って取り戻そうとするのも同じパターンだ。
「グレートギャツビー」と同様に女性はどっちをとろうかと思うと、昔の男もいいけど、今も悪くないことに気づく。女性は決断が苦手である。そういう心理をよくついている。

天才魔術師と軍閥の親分が決定的に争うかというとそうでもない。これが中国的なのかもしれない。この辺りをうまくついて抜群のコメディに仕上がった。

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