オートバイや4輪車でのツーリングが好きな人は意外に多い。奥多摩周遊道路はそのアップ・ダウン、連続するヘアピンカーブの設計が絶妙で、ドライブする人々を楽しくさせる。奥多摩観光の重要なポイントであろう。
さらに途中にある「都民の森」は三頭山の斜面の森林を楽しむために、深く考えて設計された遊歩道が四通八達している。是非ご自分の足で1、2時間散策して頂きたい。三頭山の登山路あり、ブナ林の道や探鳥の道、スポーツ歩道などさまざまな散策ルートがある。また森林館にあるレストラン「とちの実」では本格的な蕎麦を出す。
4輪車のドライブを楽しむコツは後ろから追いつく2輪車との楽しい人間関係をつくることである。
2輪車はスピードがあってすぐに追いついて来る。来たら自分の車を少しだけ左右に振って、「分かったよ、安全な処で道を開けてやるからね!」と意思表示する。
見通しが良い地点に来たら大げさに道を譲る。2輪車が右側をスーッと追い抜きながら、左手をハンドルから離して、斜め下へ皮手袋の指を揃えて出す、「ありがとう!」。粋な出し方である。こちらへも2輪車のライダーの楽しさが伝わり、周囲の景色も一層美しく見える。
何故か2輪車は道を譲るととても嬉しそうにする。
月夜見第一駐車場には必ず車を止め、眼下に広がる奥多摩湖を見やる。そして眼を上げれば残雪の鷹の巣山や御岳の大岳の山稜が広がっている。西側の三頭山の稜線や鞘口峠はその昔、武田軍と後北条氏軍の境界であった。丹波川上流の金山を守るため武田軍が守備を堅くしていたという。現在もそこが東京都と山梨県の境界になっている。
写真を撮った順に説明する。奥多摩湖から周遊道路に入るには、下段左端の陣屋という食堂の先を左に入り大きな橋を渡る。ヘアピンカーブを何度も折り返しながら登ると最初に有るのが月夜見第一駐車場(2番目の写真)であり、下段の左から3枚目と4枚目が奥多摩湖、そして、5枚目と6枚目が残雪の鷹の巣山と御岳の大岳などをしめす。
この駐車場を出て少し登ると分水嶺の峠に至る。手前は奥多摩湖へ注ぐ水流になり峠の向こうは桧原村の秋川へ流れる。峠を下ると7枚目の写真に大きく出ているような「都民の森」の看板がある。無料駐車場も広い。駐車場からの入り口の写真が8枚目の写真である。
都民の森は入場無料の広大な山稜、山林公園である。散策すると自然も素晴らしいが、「東京都の予算はかなり潤沢だなあ」という俗物的な感慨も覚える。
しばし散策して周遊道路をくだると9枚目の写真にあるような「夢の滝」を通る。車は少し先の道幅に余裕がある場所に置き、歩いて10枚目の写真にような滝を見に行く。滝の前の車道は凄く危険な車道で決して車は止めなで下さい。
夢の滝の先ですぐに左に下りて、昔風の桧原村、数馬の里へ入る。この里は合掌作りに似た独特の家々があり不思議な雰囲気がある。数馬の里には有名な山家料理の兜屋と三頭山荘があるが詳細は別記事で紹介する予定である。
数馬の里を下ると、中央高速道路の上野原ICへと続く峠越えの道への分岐点のある「人里」という名前のを通り過ぎる。上野原へは出ないで五日市方面への道を取る。
しばらく走って橘交差点を直進するとすぐに払沢の滝(ほっさわのたき)の入り口に出る。左に入り坂を上っていくと広い無料駐車場がある。駐車場から滝までは徒歩15分の森林浴の道が続く。一番上の大きな櫻の写真は駐車場から見下ろした桜木とレストランの屋根である。
奥多摩周遊道路は奥多摩湖の中流の「陣屋」前から払沢の滝の入り口まで、途中見物しなければ車で約60分位である。ただし、あちこち駐車して楽しみながら通ることを是非お勧めしたい。天気の良い日に。 撮影日時:4月12日御前11時40分から午後2時ころの間。