新座市の市役所の向かい側に平林寺がある。南北朝の時代1375年に大田備中守によって岩槻に創建され,1663年に松平伊豆守信綱の遺児、輝綱によって現在地へ移築された。平林寺は禅の修業で有名だ。またその裏の雑木林が広大で散策に良い。今日は家を9時30分に車で出て、新小金井街道を北上。清瀬市に入ったところで野火止用水を渡り、道なりに東進する。道は野火止用水に沿って走っている。上の大きな写真のような平林寺を囲む雑木林が遠くに見えると間もなく正門前の有料駐車場に着く。1時間弱の快適はドライブ。(駐車料500円)総門左の入り口で入場料300円を払う。山門、仏殿、本堂を色々な角度から見て楽しむ。最後は靴を脱いで本堂の縁側へあがり、座り込んでしばし庭や新緑の梢を見やって静かな時をすごす。読経の声が何処からとも無く流れて来て、薫風が吹いている。時が大きな清流のように緩やかに過ぎていく。本堂の縁側で休んだら庭へ降り本堂の左方向へ順路という表示に従って歩く。
最初に通るのが本堂の左にある座禅・修業堂の門の前。そこを更に進めば大きな池に出る。池の水面に新緑の木々が映り、緋鯉や真鯉が悠然と泳いでいる。道は雑木林の中を更に奥へ、奥へと続く。若葉の色で体中が染まるようだ。野火止用水平林寺堀の橋を渡ると松平一族の墓石群が重々しく立ち並んでいる。見てまわると松平氏の当主だけでなく、妻女、子供など家族の墓も混じりなにか家庭的な雰囲気がある墓所である。
そこを通り過ぎると道は一段と深い雑木林の中へ分け入っている。大きく白いはなびらの大島櫻が咲いている。
木々の下の雑草を刈って綺麗にしてあるので、林が見通せクヌギ、コナラ、シデ、カシワ、ホウなどの雑木が一層美しく見える。カエデも沢山植えられている。
樹木を見ると何故、幸せな感じになるのであろう?樹木が人間へ何か語りかけるのであろうか?そんな他愛も無いことを考えながら新緑に酔ったように歩く。疲れを忘れて。
奥の奥まで歩いて少し疲れたころ、突然、林が開けて野火止塚の前に出る。業平塚もある。格好のベンチがあるので10分ほど休憩する。座って木々を見るのもまた感じが違って趣がある。
二つの塚ともに不思議な説明板がある。野火止塚の目的に諸説があり不明。そして業平が平安時代にここに来たという確たる証拠も無いようだ。そんな事を暗示している。読んでからしばらく考える。考えたって解答が出るわけではないが。
そこからダラダラ下る坂道をゆっくり歩くと出口へ繋がっている。最後は正門(総門)の料金所の脇を出る。駐車している車に戻って一休み。12時近い。1時間30分ほどの散策の終わりである。お疲れ様! 昼食については次回の記事「平林寺周辺のグルメ情報」でご案内する。
撮影日時:4月19日午前10時30分から12:00時、場所は埼玉県新座市市役所向かいの平林寺。アクセス情報は平林寺を検索すると良い。